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病体
「病体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
をしながら、こんな事を云った。
「先達《せんだって》、佐渡殿も云われた通り、この
病体では、とても御奉公は覚束《おぼつか》ないようじゃ。ついては、身共もいっそ隠居....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
事で、一昨日から御病気です」余「エ、一昨日から、爾して今は」秀子「今は何の様な御
病体だか、下女などの話に少しお宜しい様には聞きますけれど――私が直々に介抱して上....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
百ミリ位」という。これは信ぜられないが、とにかく働き過ぎの故であろうと思う。私も
病体の時、弟の病は気になる。 ◯荒木夫人、田中君を養子に迎える件を白紙に戻して、....
「流行暗殺節」より 著者:佐々木味津三
然またどうしたんでごわす」 「どうもせん。買いたくなったから買うのよ」 「その御
病体で、隊長、妓を物しようというんですか」 「物にはせん、物したくもおれは物され....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
尚江君がある日粕谷に遊びに来た時、梁川君の事を話し、「一度逢って御覧なさい、あの
病体に恐入った元気」と云うた。丁度四月十六日には、救世軍のブース大将歓迎会が東京....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
した。仮りにその名を南条と呼ばれていた武士でありました。 南条は左の小脇にまだ
病体の宇津木兵馬を抱えながら、右の手と足とを縦横に働かせて、組みついて来る同心や....
「自画像」より 著者:寺田寅彦
いろちがった物がかいてみたかった。いちばんかいてみたいのは野外の風景であるが今の
病体ではそれは断念するほかはなかった。それでとうとう自画像でも始めねばならないよ....
「大脳手術」より 著者:海野十三
しい喜劇だというであろう。 私はすっかり自信と希望とを喪ってしまった。私は急に
病体となった。心も体も、日ましに衰弱していった。思考力が、目立って減退し始めた。....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
いうのは……」 「つまり、死ぬ前の旗田氏は心臓麻痺を起すかもしれないというほどの
病体にあったかどうかが問題なんだ。もし氏が健康を損ねていて、いつ心臓麻痺が起るか....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
飛行島の下甲板に散るのであろうか。 もしそんなことがあれば、いま組立鉄骨の間に
病体をしばりつけて、ひたすら彼のかえりを待ちわびているはずの杉田二等水兵は、どう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
っていますがな、あの笛の音では……あの尺八の気力では、そう今日明日というような御
病体でもなかりそうだし、日増しによくなってくるような音色じゃないか、とそのことを....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
とても宿じゃ、手が届かんで、県の病院へ入れる事になると、医者達は皆|頭を捻った。
病体少しも分らず、でただまあ応急手当に、例の仰反った時は、薬を嗅がせて正気づかせ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
かわらず、戦地へ行って見たくなって、それを陸羯南氏にも話したが、羯南氏は子規氏の
病体を更に悪くする事を気遣って容易に許さなかった。が、再三熱心に需《もと》めるの....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
、老大家をかかえた岩波アカデミズム機関誌の発売日だけである。日本もフランスも共に
病体であり、不安と混乱の渦中にあり、ことに若きジェネレーションはもはや伝統という....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
を尽しました。岩波版の全集には、「校勘記」というものを添えました。お兄様も晩年は
病体で、その伝記物には調査の不十分な点などもあったので、潤三郎は気の附くかぎりそ....