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病室
「病室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
病院に暮らすものだった。僕は学校の冬休みを利用し、はるばる彼を尋ねて行った。彼の
病室は日当りの悪い、透《す》き間《ま》風《かぜ》の通る二階だった。彼はベッドに腰....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
をつけ気をつけ歩いて行った。
病院へ着いたのは九時過ぎだった。なるほど多加志の
病室の外には姫百合《ひめゆり》や撫子《なでしこ》が五六本、洗面器の水に浸《ひた》....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
いながら、大儀そうに食卓の前を離れた。それから隔ての襖《ふすま》を明けると、隣の
病室へはいって行った。
「ソップも牛乳もおさまった? そりゃ今日は大出来《おおで....
「路上」より 著者:芥川竜之介
子《いす》から立ち上った。
二十六
三人が初めて案内された
病室には、束髪《そくはつ》に結った令嬢が、熱心にオルガンを弾《ひ》いていた。オル....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
東京病院にはいっていた。僕は彼是《かれこれ》三日ばかり、養家の伯母や実家の叔母と
病室の隅に寝泊りしていた。そのうちにそろそろ退屈し出した。そこへ僕の懇意にしてい....
「或る女」より 著者:有島武郎
しっそう》して、父の親友で、いわゆる物事のよくわかる高山《たかやま》という医者の
病室に閉じこもらしてもらって、三日《みっか》ばかりは食う物も食わずに、浅ましくも....
「或る女」より 著者:有島武郎
のように頑是《がんぜ》なくわがままになってしまった貞世の声を聞き残しながら葉子は
病室を出た。おりからじめじめと降りつづいている五月雨《さみだれ》に、廊下には夜明....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
人を連れて病院に急いだ。私がその町に住まい始めた頃働いていた克明な門徒の婆さんが
病室の世話をしていた。その婆さんはお前たちの姿を見ると隠し隠し涙を拭いた。お前た....
「外科室」より 著者:泉鏡花
しつ、見送るほどに見えずなれり。これのみならず玄関より外科室、外科室より二階なる
病室に通うあいだの長き廊下には、フロックコート着たる紳士、制服着けたる武官、ある....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
子は、両親の注意――むしろ命令で、午後十時前後、寝際には必ず一度ずつ、入院患者の
病室を、遍く見舞うのが勤めであった。 その時は当番の看護婦が、交代に二人ずつ附....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
夫想いになって、艇長に歎願したせいであろう。 そのベラン氏は、あれ以来永いこと
病室に保護されていた。そして倶楽部へ顔を出すようになったのは、ようやく昨日からで....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
には、煙草の箱が入っていた。煙草を吸いたくて手がひとりでにポケットにゆくが、この
病室では煙草を吸ってはいけないというきついお達しを急に思いだしては手を戻すのであ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
起きた。 寝床から自動車を呼んで、山代へ引返して、病院へ移ったという……お光の
病室の床に、胸をしめて立った時、 「旦那さん、――お光さんが貴方の、お身代り。…....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、実に腸九廻するの思いで聞くに堪えん。が、そこで。」と問掛けて、後談を聞くべく、
病室の寝床の上で、愁然としてまず早や頭を垂れたのは、都下京橋区尾張町東洋新聞、三....
「活人形」より 著者:泉鏡花
本郷に帰りけるに、早警官等は引取りつ。泰助は医師に逢いて、予後の療治を頼み聞え、
病室に行きて見るに、この不幸なる病人は気息|奄々として死したるごとく、泰助の来れ....