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病家
「病家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
た、――と云うよりも寧《むし》ろ享楽していた。彼女の過去は暗いものだった。彼女は
病家の主人だの病院の医者だのとの関係上、何度一塊の青酸加里を嚥《の》もうとしたこ....
「星座」より 著者:有島武郎
らも、小さな声で、
「お母さん」
と呼んでみないではいられなかった。十二時ごろ
病家から帰ってきた母の寝息は少しもそのために乱れなかった。
もう一度呼んでみる....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
りましたが、診断も調合も上手だというのでなか/\流行っていました。小舟町三丁目の
病家を見舞って、夜の五つ頃(午後八時)に帰ってくると、春雨がしと/\降っている。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ないことはなかったが、中にも眼科を得意にし、中津川の町よりも近在回りを主にして、
病家から頼まれれば峠越しに馬籠へも行き、三留野へも行き、蘭、広瀬から清内路の奥ま....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
金丸恭順がもとに向いた。例の新乗物町という方へ訪ねて行って見ると、ちょうど恭順も
病家の見回りから帰っている時で、よろこんで彼を迎えたばかりでなく、思いがけないこ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
れば、たちまちに機嫌が直って、なにもかも忘れてしまうのである。 療治に招かれて
病家へ行っても、そこに画虎の軸でもあれば、いい心持になって熱心に療治するのであっ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
も麻布辺からの事|故、おッくうでもあり且追々お熱く成って来たゆえ、藪医でも相応に
病家もあり、何や彼やで意外の御無沙汰、貴方は何うもお顔の色が宜くない、なにお加減....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
溢れたんですって、田圃の用水は、皆そこから来るんだって申します…… その近処の
病家へ行きました時に、其家の作男が、沼を通りがかりに見て来たって、話したもんです....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
いをした経験を持っている。そういう時代、そういう場所ではあるが、溝口医師は相当の
病家を持って相当の門戸を張っていた。 門戸といえば、溝口医師の家は小さい旗本の....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
春子が二階に上って来たのは、それから三十分も経ってからであった。 彼女は、父が
病家から持って帰ったらしいお菓子の紙包を、二人の前にひらきながら、 「ほんとに次....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
いをした経験を持っている。そういう時代、そういう場所ではあるが、溝口医師は相当の
病家を持って相当の門戸を張っていた。 門戸といえば、溝口医師の家は小さい旗本の....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
に父に診察してもらいたいと、そこのかかりつけの医者から頼んで来ました。父は新しい
病家などは好みませんけれど、人力車で迎いに来たので行きました。やがて帰られたので....
「紫外線」より 著者:小酒井不木
は、ふと麻布の△△侯爵邸に、模造首飾りのあることを聞きだし、同侯爵邸が木村博士の
病家先であるのを幸いに、腹心の徒の村田を書生に住みこませてとうとう盗みださせまし....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
選んで、住所の町名をそのまま、明石病院というのを私立で当時建築中、ここで山の手の
病家を喰留めようという勢。 山の井の家には薬局、受附など真白な筒袖の上衣を絡っ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
可哀相だと我慢をした。芸妓や娼妓でも囲いあがりゃ、いざこざはちっともねえが、汝が
病家さきの嬢さんの落目をひろッて、掻きあげにしやあがったは、何のこたあねえ、歌を....