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病弊
「病弊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病弊の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
包まれているんですから、たまりませんよ」
「ところが旗太郎さん、そこに、この館の
病弊があるのですよ。いずれ除かれることでしょうが、だが貴方にしたところで、なにも....
「求め得られる幸福」より 著者:宮本百合子
のために労資協調を致しましょう」とかいうものです。現代の戦争が資本主義そのものの
病弊であるとき、その原因が合理的にとりのぞかれないで、どうして本当の平和があり得....
「辞書」より 著者:折口信夫
なってきた。われわれの口の文学は、追いつめれば、ことばになってしまう。日本文学の
病弊をいちばんあらわしている俳諧は、単一な語の勢力に帰してしまう。約束的な語を入....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
ても、決して作者の才能の乏しい放ではない。対象の把握の仕方が足りない故ではない。
病弊は作者の態度そのものにある。描写よりも説明が主となってるところにある。そして....
「意欲の窒息」より 著者:豊島与志雄
らしい衣をまとって、吾々の前に立現れてくることがある。 * 現代の
病弊の一つに、神経衰弱がある。その神経衰弱者の最もよいタイプを、吾々はジョルジュ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
やヨーロッパの慰みになるばかりだと叫んで、それがなんの役にたつか。身をかじってる
病弊に眼を閉じないこと、民族の生命と名誉とのために戦うという感情から、圧倒されず....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
らに反して徒党を結んだり革命を起こしたりすることに、なんで僕は働くものか。現在の
病弊はある何かの制度から起こったものではない。それは、贅沢《ぜいたく》にとりつく....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
ュニズムに狂奔し今はファッシズムに傾倒す。冷静な理智の判断を忘れたる現代に特異の
病弊である。 四 由来国軍は外敵に対して我が国土を防衛する任務を....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
る旗本や徳川の役人は多分一万を出でまい。アハハ、無用だ。正に小義憤を断じ去って、
病弊の根本処に向って大刀を振うの時だ。そう唸られるな。さ、急ごう! 加多 兵藤氏....
「妾宅」より 著者:永井荷風
かる詭弁的《きべんてき》精神の傾向は破壊的なるロマンチズムの主張から生じた一種の
病弊である事は、彼自身もよく承知しているのである。承知していながら、決して改悛《....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
愛読し、他日二家にも劣らざる諷刺家たらんことを期していた人で、他人の文を見てその
病弊を指※《してき》するには頗《すこぶ》る妙《みょう》を得ていた。一葉《いちよう....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
る旗本や徳川の役人は多分一万を出でまい。アハハ、無用だ。正に小義憤を断じ去って、
病弊の根本処に向って太刀を振うの時だ。そう唸られるな。さ、急ごう! 加多 兵藤氏....
「婦人の過去と将来の予期」より 著者:小川未明
に於て、それを得らるべき筈がないのだ。新しい、自覚した女性は、いまや、この社会の
病弊がどこに在るかをよく知っている筈だ。それを革めない限りは、いつまでたっても自....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と臆測されている海北友松も、長谷川等伯も、要するに、この水墨画末期において、その
病弊に陥ちず、よく個性を示した当代の巨匠たちであった。同時代の画僧に、松花堂と号....