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病弱
「病弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
と不吊合《ふつりあい》に頭の大きい、徒《いたず》らに目ばかり赫《かがや》かせた、
病弱らしい少年を映している。しかもこの顔色の悪い少年は絶えず毒を持った質問を投げ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
手にならないのです。が、友だちはそれで黙っていても、親戚の身になって見ると、元来
病弱な彼ではあるし、万一血統を絶《た》やしてはと云う心配もなくはないので、せめて....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
甎《ほせん》の上に、漂っているとでも言いそうなのです。しかし幸い出て来た主人は、
病弱らしい顔はしていても、人がらの悪い人ではありません。いや、むしろその蒼白《あ....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
きな》も、あいかわらず網をつくろうのに余念がない。こういう風景をながめていると、
病弱な樗牛の心の中には、永遠なるものに対する※※《しょうけい》が汪然《おうぜん》....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
からである。
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病弱な修理は、第一に、林右衛門の頑健な体を憎んだ。それから、本家《ほんけ》の附人....
「星座」より 著者:有島武郎
碌々《ろくろく》として何事をもなしえざること痛悔《つうかい》の至りに候ことに生来
病弱|事志《ことこころざし》と違い候は天の無為を罰してしかるものとみずから憫《あ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
処理するようでも、人の反感を買わないのではあるまいか。一郎はずっと幼時、かの女が
病弱であったある一時期、小児寄宿舎にやられていた。そこで負けず嫌いな一郎は友達と....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
の弟が私の部屋へ遊びに来た。プロレタリア文学雑誌「種|蒔く人」の同人で二十五歳、
病弱な為めW大学中途退学の青年だが病身で小柄でも声が妙にかん高で元気に話す男だ。....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
えすれば、――という事だったのだ。つまり、この形を思い浮べたという訳だが、しかし
病弱非力の易介には、とうていこれだけの重量を動かす力はないのだ」
「幌骨と兜?」....
「海」より 著者:梶井基次郎
混った弱い日光がさっと船を漁師を染める。見ている自分もほーっと染まる。 「そんな
病弱な、サナトリウム臭い風景なんて、俺は大嫌いなんだ」 「雲とともに変わって行く....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
フ氏 正太とマリ子の父は、このウラジオに店をもっている貿易商だった。二人の母は
病弱で、郷里の鎌倉にいるが、だいぶん永いあいだ二人の子供にあわないので帰ってほし....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。彼はこの花を通じて自然に接することが出来ると、心ひそかに思った。 見るからに
病弱の、考え疲れたような、ドクトル・ジャコモ・ラッパチーニも、またその美しい娘も....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
好く消化れれば物がたくさん食えもする(何と云ってもこれが人間最大の幸福なのだ。)
病弱な胃の腑は人間を駆って懐疑思想に導く。無信仰に誘う。人間の心のなかに暗い思想....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ようにしたいのであった。そういう目論見のもとに、息子を教育してきたのでもあった。
病弱な一寸法師であるこの息子は、数々の教師について慎重に仕込まれ、大陸に遊学させ....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
という言葉がぴったりくるね。唯一の希望である我が子は行方不明になる、その心痛から
病弱になり、生きて行く力を失ったと云って床に就く日が多かったというからその頃から....