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「病後〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

病後の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
一 前島林右衛門《まえじまりんえもん》 板倉修理《いたくらしゅり》は、病後の疲労が稍《やや》恢復すると同時に、はげしい神経衰弱に襲われた。―― 肩....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ているだけに、いつ死なぬとも限らず、眼の黒いうちにと蝶子は焦った。が、柳吉はまだ病後の体で、滋養剤《じようざい》を飲んだり、注射を打ったりして、そのためきびしい....
婦系図」より 著者:泉鏡花
た帽子を払って、柔かに起直って、待構え顔に屹と見迎えた。その青年を誰とかなす――病後の色白きが、清く瘠せて、鶴のごとき早瀬主税。 英臣は庇下りに、じろりと視め....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
なことがあった。 ◯まず弟佑一君が死んだ。三月二日のこと。病名は結核性脳膜炎。発病後三週間余にて、あわただしく逝った。あんな善人に、天はなぜ寿命をかさないのかと....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
積を来した場合だとか、或は又、一寸した傷口から連鎖状球菌の浸入に依って、浮腫性の病後に続発的に現れる象皮病――って奴を知ってるかい?……こいつがそれだよ。僕の大....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
春まで、足かけ五年も麻川荘之介氏に逢わなかった。昭和二年の早春、葉子は、一寸した病後の気持で、熱海の梅林が見度くなり、良人と、新橋駅から汽車に乗った。すると真向....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
る覚悟で、なんでも片端から頬張っていると、老人はあまり洋食を好まないらしく、且は病後という用心もあるとみえて、ほんのお附合に少しばかり食って、やがてナイフとフォ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の美少女ら知るや如何に 目黒に甘藷先生の墓 (昭和13・10「短歌研究」)病後静養のために箱根に転地、強羅の一福旅館に滞在。七月下旬のある日、散歩ながら強....
火星兵団」より 著者:海野十三
は客が行くはずがない。新田先生は、学生時代ここへ時々行ったことを思い出し、今度も病後の体をこの湯で温めようと思って足を向けたのだ。 掛矢旅館を、ひょっくりとお....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
重りがするだろう、鼻を乗せて、気だるそうな、退屈らしい、呼吸づかいも切なそうで、病後り見たような、およそ何だ、身体中の精分が不残集って熟したような鼻ッつきだ。そ....
歯車」より 著者:芥川竜之介
弟も微笑しながら、遠い垣の外の松林を眺め、何かうっとりと話しつづけた。(この若い病後の弟は時々僕には肉体を脱した精神そのもののように見えるのだった) 「妙に人間....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、ちぢれておったが、後には白くなった。真中から分けて、下げていた。」 晩年に、病後のファラデーの講演を聴いたポロック夫人の書いたものによると、「髪の毛も白く長....
妖怪談」より 著者:井上円了
ときがはじめで、だんだん重って、ついに真の狂人となったのであります。 いずれ、病後の疲れかなにかでございましたでしょう。だれでも身体がひどく疲れると精神もよわ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
主人公の平九郎を勤めたのであるが、それは作そのものも余り面白くない上に、なるべく病後の菊五郎を動かさないように書いてあったので、一般の評判もすこぶる悪かった。菊....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
任した。特に万難を排しナポレオンの対英戦争を書き上げる決心であった。しかし中耳炎病後の影響は相当にひどく、何をやっても疲れ勝ちで遂に初志を貫きかねた。漢口駐屯時....