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病根
「病根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病根の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
へ、半町ばかり歩いて来ると、右側に一軒洗湯があって、大きく桃の実を描いた上に、万
病根治桃葉湯と唐めかした、ペンキ塗りの看板が出ています。お敏が湯に行くのを口実に....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
《くら》い尽そうとする力の怖ろしさは、けっして悪臭を慕ったり、自分自ら植つけた、
病根に酔いしれるといった――あの伊達《だて》姿にはないのである。いやむしろ、その....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
いた。しかしながらこの認識論は全く誤謬であった。私のいっさいの惑乱と苦悶とはその
病根をこの誤謬のなかに宿していたのであった。実在の最も原始的なる状態は個人意識で....
「意欲の窒息」より 著者:豊島与志雄
きたところで、やはり同じ生活、意欲のない生活に、立戻るだけのことではあるまいか。
病根はどこにあるのか。没落種族というような宿命的なところにあるのではない。彼等が....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
快方に向かっていたが、まだ全快はしなかった。やはり右の胸に痛いところが残ってい、
病根は徐々にしか癒《い》えてゆかず、神経的な咳《せき》の発作が起こって、夜はその....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は問題にすべきものとなったし、十九世紀には排斥すべきものとなっている。修道院制の
病根は、二つのみごとなる国民、数世紀の間欧州の光明たりしイタリーとその光輝たりし....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
第一編 市街戦
一 サン・タントアーヌとタンプルとの両|防寨《ぼうさい》
社会の
病根を観察する者がまずあげ得る最も顕著な二つの防寨は、本書の事件と同時代のもので....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ことなんだ。それをいかにも関係があるかのように思いこんでいるところに、この学校の
病根があり、校風のあがらない大きな原因があるんだ。この学校では、上級の名において....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
でもいちおうはありがたく頂戴しなければならないところに、実は、現在の日本の最大の
病根があるんだよ。だから、おたがいとしては、病菌はこれからいくらでもはいって来る....
「火の扉」より 著者:岸田国士
ゝにさせたということは、かえす/″\も遺憾だが、そこにもまた日本の救うべからざる
病根があつたのだ。戦さに負けることは、だから、負けた理由によつては、必ずしも恥じ....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
。 神秘劇 人生の一事件に神秘主義的な解釈を織り込んだもの。 社会劇 現代社会の
病根に批判を加えようとするもの。 問題劇 ひろく人生、社会の現実に即した問題をと....
「演劇への入口」より 著者:岸田国士
性を欠いているからである。これがどうしても是正できないところに、日本の現代演劇の
病根の一つがある。 その上、無断上演の暴挙が半ば公然と行われ、作者の許可を得た....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
、彼は年の若い師冬が熱しているほどにはこの問題を重大視していなかった。殊に主人の
病根をよく知っている彼は、なんにも知らない師冬が一人で苛々しているのを気の毒に思....
「妖怪学」より 著者:井上円了
を用うるものあり、また、諸病を医するに、この法を唱うるものあり。しかして曰く、「
病根となりし虫を抜き去るなり」と。ゆえに、余がここに説明すべき要点は、果たしてか....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
能のようである。 要するにフランス革命に依って国民的軍隊が生まれ、職業軍時代の
病根を断って殲滅戦略が採用せられ、その威力の及ぶ範囲に於て決戦戦争が行なわるる事....