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病棟
「病棟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病棟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
恥じる。厳粛の意味で、医師の瞳の奥をさぐれ! 私営脳病院のトリック。 一、この
病棟、患者十五名ほどの中、三分の二は、ふつうの人格者だ。他人の財をかすめる者、又....
「人間失格」より 著者:太宰治
も、自分はそれからすぐに、あのはにかむような微笑をする若い医師に案内せられ、或る
病棟にいれられて、ガチャンと鍵《かぎ》をおろされました。脳病院でした。 女のい....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、失楽園の全部であって、四棟ともいずれも白塗りの木造平屋で、外観はありきたりの、
病棟と少しも異なっていなかった。 法水はまず、周囲の足跡を調べ始めたが、昨夜の....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
ガチャンという音が聞えてきた。僕はなおも五分間を待った。監守が鉤型に折れた向うの
病棟へ廻るのを待つためだった。 いよいよ、時は熟した。 僕は煎餅蒲団の間から....
「人間灰」より 著者:海野十三
つけた。これを一応調べて、とりあえず臨時の調べ室を、丁度空いていた村立病院の伝染
病棟へ設け(これはちょっと変な扱い方だった)怪漢をその方へ移す。そのうちに夜が明....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ける者は歩いて、あとからどん/\這入り得るだけの密度で、病室につめこまれる。外科
病棟は、びっしりとなっていた。内科
病棟と伝染
病棟の一部にも、負傷者は這入っていた....
「縮図」より 著者:徳田秋声
おり、気分のよさに、均平もしばらく立ち止まって四辺を見廻していた。 均一は鈴蘭
病棟の一室にいたが、熱も大して無いと見えて、仰臥したまま文庫本を見ていた。木造だ....
「窓」より 著者:鷹野つぎ
視界の八分は空であった。あとの二分を俯瞰すると、前方が中庭をはさんで並行した別の
病棟で、西方に渡廊下をもって右折して続いた医務室などの建物があり、東方には病院の....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
度は今までの南窓と対い合って眺められていた向う側の、平家建の二人詰の室のならんだ
病棟だった。看護婦さんが寝台車を階段の下まで廻してくれ、それに見知りの附添婦さん....
「精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
経を苛立たせないように、これつとめ、これを専一に注意を払ってくれる。神経科以外の
病棟は決してこう行き届く筈はないだろうと思った。だから僕は、ほかの病気で入院する....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
が、スピロヘータにやられると、昔日の智能に恢復することができないという。 同じ
病棟に、スピロヘータに頭をやられた三十ぐらいの婦人患者がいた。毎日狂って、暴れて....
「光は影を」より 著者:岸田国士
者は、そう言いながら、微笑をふくんだ視線を軽く彼の上に投げて、そのまゝ廊下を奥の
病棟の方へすたすたと歩きだした。 その
病棟の部屋々々から、途切れ途切れに尾を引....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
いものと思い、岩倉精神病院へ、二、三度見学にまいったものでした。院長に案内されて
病棟を歩きますと、千差万別の狂態が見られました。夏のことで、私は薄い繻珍の帯をし....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
りのつつじが、同じ色彩を重ね、燃えているように咲いていた。 次ぎの日、私が内科
病棟の玄関に入った時、その目前に香川完子が立っている。完子は素子の山形高女での先....
「落日の光景」より 著者:外村繁
も知れない。が、それにしても、健康な世界ではあのような異常な不安を感じる私が、癌
病棟の病室でこのような健康な想像をするのは、何故か。私の神経がどこか倒錯している....