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病源
「病源〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病源の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
患者も、ひとから腕を曲げられると決して自分で伸ばそうとしない。この病気は現在でも
病源が判らず不治とされている。患者は一進一退の後、こうして植物の如く生きながら次....
「安重根」より 著者:谷譲次
病一般、リュウマチス、それに喘息だ。この喘息という病は、今日の医学界ではまだその
病源についていろいろと説があって、したがって治療法も発見されておりません。学者先....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
十五に上下がある。細に検するに期待に負かぬ善本であった。素『医心方』は巣元方の『
病源候論』を経とし、隋唐の方書百余家を緯として作ったもので、その引用する所にして....
「探偵小説の正体」より 著者:夢野久作
射するとステキに利く。百発百中と云ってもいい位おそろしい効果を以て、ジフテリヤの
病源体をヤッツケてしまうらしい。 それでいてジフテリヤの
病源体はまだ発見されて....
「人間の道義」より 著者:宮本百合子
き出し、放置し、更に救いがたくしてゆくような、今日の社会の諸矛盾にこそ触れたい。
病源をこそ、きわめたい。そして膿の湧き出す腫物そのものを直して、清潔な人間らしい....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
のような構造の弱点によって信任を失ったかを見ることは、同時に、ヘーゲル哲学全体の
病源をつきとめることをも結果する、吾々はこの点に中心を置いて考えて行くことを忘れ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ところで、当身《あてみ》や活法は、施すべき時と相手とがある。今この際、このか弱い
病源不明の者に向って、手荒い活法を試むることがいいか、悪いかの親切気さえ手伝った....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いことがおかしな結果を起すのでしょう。スエコさんと場所を代り、それで私の肝臓病も
病源をあきらかにしたと云うわけです。ずっと私は其処に坐って、アッコオバチャンらし....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
性感冒に随伴して起る肝臓炎で、肥大と圧痛をともない、伝染力をもっていますが、その
病源菌はまだ分っておりません。私は昭和十二年末から、この特異な肝臓疾患に気がつき....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
に若返った。そして電磁気や光に関する理論の多くの病竈はひとりでに綺麗に消滅した。
病源を見つけたのが第一のえらさで、それを手術した手際は第二のえらさでなければなら....
「死屍を食う男」より 著者:葉山嘉樹
診断でも病名が判然しなかった。臨終の枕頭《ちんとう》の親友に彼は言った。 「僕の
病源は僕だけが知っている」 こう言って、切れ切れな言葉で彼は屍《しかばね》を食....
「雁」より 著者:森鴎外
た。岡田は築地にWさんを尋ねて、試験を受けた。素問と難経とを二三行ずつ、傷寒論と
病源候論とを五六行ずつ訳させられたのである。難経は生憎「三焦」の一節が出て、何と....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
え支倉君、群衆心理の波及力には、悪疫以上のものがあると云うじゃないか。所が、その
病源と云うのが、有名なツェルネル錯視なんだよ。現に、桟敷の円柱を見給え。横につけ....
「春」より 著者:岡本かの子
真黒な薔薇に見えると京子は怖えた様子で話した。あの頃から、京子の心身には、今日の
病源が潜んでいたものらしい。それから或る年の暮、青山墓地通りの満開の桜の下を二人....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ば胃をこわしたりする。体内の各種の機関は凡てが連絡なしには作用しないのだからね。
病源といったところで、それからそれへと繰ってゆかねば、一局部の兆候だけですぐに極....