病父[語句情報] »
病父
「病父〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病父の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「牛人」より 著者:中島敦
わった。大人しい青年で、親にも告げずに身に佩《お》びては悪かろうと、豎牛を通じて
病父にその名誉の事情を告げ玉環を見せようとした。牛は玉環を受取って内に入ったが、....
「兄と弟」より 著者:宮本百合子
の虐遇に堪えかねて間もなく作人をそこに残して自分だけ杭州の生家へ帰った」そして、
病父のためにえらい辛酸を経験した。 作人はその間に、魯迅と一緒にあずけられた家....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
きびしい剣家のむすめだけに、きちんとすわって、さっきから、身うごきひとつしない。
病父《ちち》の恢復は、祈るだけ祈ったけれど、いまはもうその甲斐もなく、追っつけ、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
て居りますから何よりです。では又。 河村さん――島田の宮本の家の向いの一家で、
病父がその人のリヤカーにのせてもらって相撲や芝居見物に行ったこともある。 琴平さ....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
終戦後父親が肺病でねついてしまって、ソノ子は事務員になって稼いだが、女手一つで、
病父や弟妹が養えるものではない。いつとはなく、パンスケをやるようになった。外でや....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
り。世間あるいは強いてこれを望む者もあるべしといえども、その迂闊《うかつ》なるは
病父母をして健康無事の子を生ましめんとするに異ならず、我輩の知らざる所なり。古人....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
る由利どのを一刺しにいたし申し候。この身もその場にて、死するつもりに候わしかど、
病父に引かれて立ちかえり時移るうち、早くも調べの手はのびて、万事|休し申し候。取....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
奥の病室から、こう父の声がその時聞えた。 子の眼からは、今にもと危ぶまれる
病父も、何かに激して、子を呼ぶ時の声は、病人とも思われなかった。 「――はいっ」....