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病状
「病状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病状の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
うでしょう。多分はあなたの御覧になった後《あと》で発したかと思うんです。第一まだ
病状が、それほど昂進してもいないようですから、――しかしともかくも現在は、腹膜炎....
「或る女」より 著者:有島武郎
しきって、愛子の前でも看護婦の前でも構わずにおいおいと泣きくずおれた。
貞世の
病状は悪くなるばかりだった。
ある時伝染病室の医長が来て、葉子が今のままでいて....
「振動魔」より 著者:海野十三
ことになり、いわば博士の公式な第一試術患者となったわけで、また一面において柿丘の
病状は第三期に近く右肺の第一葉をすっかり蝕まれ、その下部にある第二葉の半分ばかり....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
end Blehmelと繰り返すように聴かれたからだったのだ。しかし父親が息子の
病状に驚いて自宅へ引き取ったので、そこでブレーメルの精神状態が、からくも崩壊を免....
「臨終まで」より 著者:梶井久
看護婦は直ぐ病人の傍へ行って脈をはかり、験温などしました。そして、いきなり本当の
病状を喋って仕舞いました。この時脈は百三十を越して、時々結滞あり、呼吸は四十でし....
「火星探険」より 著者:海野十三
地下室にある医務室へ、四人は一旦収容せられたが、そこに居合わせた医務員は四少年の
病状を見て、 「これはなかなかの重態だ。ここに置いたのではうまく手当が出来なくて....
「病房にたわむ花」より 著者:岡本かの子
た。男は日露戦争中負傷の際に気が狂って以来ずっと茲の病房の患者であるそうですが、
病状は慢性な代りに挙措は極めて温和で安全であると聞きました。その可憐な男が、私達....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
がまんしました。すこし気分がいいと、手紙を書きたがりました。けれど、そのうちに、
病状はわるくなり、意識が不明となり、うわ言をいうようになりました。バンクス先生は....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
候補となり某地へ赴任したと語り、大笑いして二冊の日記を出した。これを見ると当時の
病状がよくわかる。旧友諸君に献じてもいいというので、持ち帰って一読してみると、病....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
になってしまった。 その室は、まきの口から病室になったもので、可愛いいおゆうの
病状を悪化させまいとして、扉に鍵をおろし謙吉を遠ざけていた。その夜も、鍵は鍵孔に....
「光は影を」より 著者:岸田国士
もう遠慮をしている時ではないと思い、勇気をふるつて、一筆したゝめます。 あなたの
病状、容態は、雲をつかむようで、僕にはよくわからないが、いつたい、軽いのですか、....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
がするばかりでなく、却つて、それは永久の「自慰」に類するものとなり、一方、本来の
病状はますます悪化し、遂に救うべからざる致命的結果をもたらすであろうということを....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
スの場合では、じつは神経状態にある特殊な由縁があって、そのために彼女の性的組織の
病状は、重態を示すものだったのである。 彼女の感情生活は、最初から法外な緊張を....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
と(ヨーハン)よ、私が死んだとき、シュミット教授がなお存命ならば、ただちに、私の
病状の記録作成を私の名において教授に依頼せよ、そしてその
病状記録にこの手紙を添加....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
いっしょにいたあの頃、すでにその兆候を感じていたが僕はそれを隠していた。ところで
病状はだんだん悪化するばかりだ。再び快方に向くかどうかがはっきり判るのも今後のこ....