病理的[語句情報] »
病理的
「病理的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病理的の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
てそのあとでは倉地の心はきっと野獣のようにさらにすさんでいた。葉子は不快きわまる
病理的の憂鬱《ゆううつ》に襲われた。静かに鈍く生命を脅かす腰部の痛み、二匹の小魔....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
さ。君がいま感じたような、心理的な障害を要求しているんだ。どうして彼奴が、そんな
病理的な個性なもんか。それに、まったくもって創造的だよ。だがそれをハイルブロンネ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
であるところを見ても遺憾なく推察される。否、二人の行動に現われた心理の推移を精神
病理的に観察してみると、呉一郎は、一千年後の呉青秀に相違ないのだ」
私は又、別....
「自画像」より 著者:寺田寅彦
れるというのはまだ読んだ事も聞いた事もなかった。おそらくこれは生理的ではなくて、
病理的に神経の異常から起こるハルシネーションの類だろうが、それにしても妙なもので....
「五〇年代の文学とそこにある問題」より 著者:宮本百合子
あったりすることを納得できよう。文学の才能だけは、アルコールの中毒くさかったり、
病理的な非情のするどさでもてはやされたりする畸型的な面白がられかたは、文学そのも....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
観的な世界観ではないのである。 精神病者の場合は極端な例に過ぎないが、そうした
病理的事情は多くの社会意識(個人意識から区別する)に就いても見出されるので、そう....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
思って。何かの御参考になるでしょうかしら。江古田療養所から出ている『結核』これは
病理的? らしい雑誌です。南山堂で『治療』というのを出していて、これは体質の治療....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
んだ異形の女身仏が、背上の蓮台の上に趺座しているのだ。それは、如何にも密教臭い、
病理的なヒステリカルな暗い美しさだった。しかも、輪羽の中芯を、密陀僧の朱が核のよ....
「ブリユンチエールの言葉について」より 著者:平林初之輔
問題に関するブリュンチエールの言葉がひいてあります。それによると、そういう小説は
病理的あるいは生理的には興味があるかもしれないが社会的には無意味であるというので....
「探偵小説壇の諸傾向」より 著者:平林初之輔
性を与えることが急務であろう。 四 以上の四人は、少なくも最近においては、精神
病理的、変態心理的側面の探索に、より多く、もしくは全部の興味を集中し尋常な現実の....
「妖怪学」より 著者:井上円了
釈し尽くすべきがごとしといえども、これに数種類ありて、精神病によりて発するものは
病理的妖怪と称し、生理学、精神病学の説明をまたざるべからず。また、宗教上に関し、....
「『偶像再興』序言」より 著者:和辻哲郎
の歯の浮くような偶像破壊が、結局、その誤謬をもって予を導いたのであった。――予は
病理的に昂進した欲望をもって破壊に従事した。行き過ぎた破壊は予を虚無の淵にまで連....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
った顔の表情は、慈悲ということのほかに何事も考えられなくなったういういしい心の、
病理的と言っていいほどに烈しい偏執を度外しては考えられない。このことは特に横から....
「日本の頭脳調べ」より 著者:戸坂潤
も知れない。新潟医大を卒業してから、ファン・ホッホやバーナード・リーチ其他の精神
病理的研究を発表して文化批評家としての特色を発揮した。進歩的な社会医学者の一人で....