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病監
「病監〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病監の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に、好んで寺院や病的心理を扱う小城魚太郎の短篇中にも――殺人を犯そうとする一人の
病監医員が、もともと一労働者にすぎないその患者に、医学的な術語を聴かせ、それを後....
「風知草」より 著者:宮本百合子
云った。木暮は、一九四四年頃どこかの刑務所から転任して巣鴨へ来た監獄医であった。
病監での日常事で意見が衝突した重吉について、精神異状者という書類を裁判所へ出した....
「獄中記」より 著者:大杉栄
建物は、めくらだとか、足腰のろくに利かない老人だとかの、片輪者や半病人をいれる半
病監みたようなものになっていた。僕は二度ともこの建物の中の広い一室をあてがわれた....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
した、東京監獄のあの死刑囚の強盗殺人君も、その一人だ。 巣鴨では例の片輪者の半
病監獄にいたのだから、さすがにそういうのには出遭わなかったが、それでも裁判所の仮....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
分れている。それから遙か後ろの方に、七個の工場が並んで立っている。そのほかには、
病監、炊所(附、浴場)、洗濯工場などがアチコチに立っている。そしてそれらの建物の....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
壁を越えて向うに、今は真っ盛りの桃の木を一株見ることができます。なおその外にも、
病監の前に数株の桜がありますから、近いうちにはこの花をも賞することがあるのでしょ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の誼《よしみ》による御機嫌伺いを申します。 ベッドの上で手紙をおかきになる――
病監には机がなく、ベッドの蒲団の上で手紙を書いていた。 十二月十二日 〔市ヶ....
「愉快な話」より 著者:豊島与志雄
クロポトキンが、セント・ピーター・ポールの要塞に監禁されてるうち、健康を害して
病監に移された機会に、そこを脱走した。その時の話は、余りに有名である。この有名さ....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
》熱発《はつねつ》甚《はなは》だしく、さては腸|窒扶斯《チブス》病との診断にて、
病監に移され、治療|怠《おこた》りなかりしかど、熱気いよいよ強く頗《すこぶ》る危....