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病菌
「病菌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病菌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
涙を泣きながら、死んでもお前たちに会わない決心を飜《ひるがえ》さなかった。それは
病菌をお前たちに伝えるのを恐れたばかりではない。又お前たちを見る事によって自分の....
「星座」より 著者:有島武郎
く蒸《む》すような熱感が萌《きざ》してきた。この熱感はいつでも清逸に自分の肉体が
病菌によって蝕《むしば》まれていきつつあるということを思い知らせた。喀血《かっけ....
「或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
の周囲に繞《めぐ》らされ、娘の鶴代は絶対に出入りを禁止された。もし、彼女が父親の
病菌を持っていると、火葬も消毒も何の意味もなさないことになるからであった。 吾....
「振動魔」より 著者:海野十三
しかも可撓な密着壁膜をつくり、その上に第二層として更に黄金の粉末をもって鍍金し、
病菌の活躍を封鎖したのだった。 この白石博士を、柿丘秋郎は恩人と仰いでいると、....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
―そんな年頃だった。二人とも、その体内には、健康で清純な血液の循環を妨げる一つの
病菌も、一ツの傷もないように見えた。 着物の着かたや、髪の結び方や、断片的な方....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
うした状態で長い年月を送って来たのだった。 然し、僕の身体に巣食っていた疑惑の
病菌は、僕の意志の如何に係らず、悠りと、然し確実に僕の全身に拡がりつゝあったのだ....
「死生」より 著者:幸徳秋水
のである、が、少くとも今日の社会、東洋第一の花の都には、地上にも空中にも恐るべき
病菌が充満して居る、汽車・電車は、毎日のように衝突したり人を轢いたりして居る、米....
「空襲警報」より 著者:海野十三
下に、ウームと苦悶する人の声。――旗男はハッとその場に立ちすくんだ。 伝染
病菌の容器 まだ暮れたばかりの夏の宵のことだった。不意に起った銃声に、近所の人....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
が、すくなくとも、今日の社会、東洋第一の花の都には、地上にも空中にも、おそるべき
病菌が充満している。汽車・電車は毎日のように衝突したり、人をひいたりしている。米....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
レクトル・エケクランツは猶大系のでんまあく人で、湿黒の髪と湿黒のひげとして猥雑・
病菌・不具・古蒼の巣窟みたいなレクトル・エケクランツの店は、不思議とそれだけでひ....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
呈し、あたら有為の人材が業半ばに吐血して去り、まさに亡国病たるの惨状である。この
病菌と闘い、伊豆の辺地、曾我物語発祥の地、久須美荘園の故地のみは、自らの必死の力....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
生は、もっぱらその方面を念頭に物を言ってらッしゃる。現在マイナスの私は、生存中に
病菌が頭を犯すまでには至らないだろう、という意味のようであった。 私もそれを怖....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
は日本中が病気なんだから、友愛塾だけがその脅威から安全でありうる道理がないんだ。
病菌はこれからいくらでもはいって来るだろう。いや、これまでだって、すいぶんはいっ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
夫ならつて、いくど考えたかわからないわ」 「欲ばつちやいけない。あなたの肺臓に、
病菌がどれほどうようよしていても、僕は、そのあなたが、世の中で一番好きなんだ。ど....
「春心」より 著者:田中貢太郎
来た。 「音か」 それは長吉の甥の音蔵であった。音蔵は砲兵|工廠に勤めていて、
病菌が入ったので脚を切断したものであった。 「叔父さん」 音蔵の声は顫えを帯び....