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病身
「病身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
》なぞは利巧なだけに、天下を料理するとなれば、浄海入道より数段下じゃ。内府も始終
病身じゃと云うが、平家一門のためを計《はか》れば、一日も早く死んだが好《よ》い。....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
も誇りの一つだった為であろう。
二
僕は一人の姉を持っている。しかしこれは
病身ながらも二人の子供の母になっている。僕の「点鬼簿」に加えたいのは勿論《もちろ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
父親が歿くなって間もなく、お敏には幼馴染《おさななじみ》で母親には姪に当る、ある
病身な身なし児の娘が、お島婆さんの養女になったので、自然お敏の家とあの婆の家との....
「或る女」より 著者:有島武郎
はどうしてもそういう事がわからないから困ります。少しでもわかれば、どうせこんなに
病身で何もできませんから、母はじめみんなのいうことをききたいんですけれども……わ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に整然と櫛を入れて、髯の尖から小鼻へかけて、ぎらぎらと油ぎった処、いかにも内君が
病身らしい。 さて、お初にお目に懸りまする、いかがでごわりまするか、ますます御....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
、翌々月また牝牛を一頭落とした。不景気で相当に苦しめられてるところへこの打撃は、
病身のからだに負傷したようなものであった。 三頭目の斃牛を化製所の人夫に渡して....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
君さんとその弟の正ちゃんとが毎日午後時間を定めて習いに来た。正ちゃんは十二歳で、
病身だけに、少し薄のろの方であった。 ある日、正ちゃんは、学校のないので、午前....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
を聞かしておくれ、何て云うの、よ、お前。」 と美しい女は、やや急込んで言って、
病身らしく胸を圧えた。脱いだ羽織の、肩寒そうな一枚小袖の嬌娜姿、雲を出でたる月か....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
けれどもそれは必ずしも私が確固たる反戦の信念を持ちつづけたためではなく、たまたま
病身のため、そのような題材をつかむ機会に恵まれなかつたり、その他諸種の偶然的なま....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
った人の女で、とある楼に身を沈めたのが、この近所に長屋を持たせ廓近くへ引取って、
病身な母親と、長煩いで腰の立たぬ父親とを貢いでいるのがあった。 八....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
れに悲く、浅ましい……身の丈夫で売盛るものにはない、弱い女が流される。(姉めも、
病身じゃによって、)と蜘蛛の巣だらけの煤け行燈にしょんぼりして、突伏して居睡る小....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
何、それはわざわざ。」 「実は母親が参ります筈なんでございますが、一体このとかく
病身な上、貧乏暇なし、手もございません処から、相済みませんが失礼をいたしまして、....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
から立派なのよ。 鶏を真中にして、上座には運八、とそれに並んで、色の白い、少し
病身らしいけれども、洋服を着た若い人で、髪を長くしたのが。」 と、顔を斜に見越....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
人前も働けない自分一人でやり了せる見込は、源治にはどうしても立たなかつた。タミは
病身で苦い頃から田圃には殆ど下りたことがなかつた。 若勢を頼みたくても、男とい....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
営している工場の紙を扱っていた。細君は混血児で目の色のちがった子供がおり、主人は
病身、なんとなく活気のない店だった。私は十五歳になっていたが、この紙を扱った最初....