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症
「症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
症の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
よ。」
僕は耳を澄まして見た。なるほど僕を呼んでいるらしい。しかもこの頃|蓄膿
症《ちくのうしょう》のために鼻のつまった甥《おい》の声である。僕はしぶしぶ立ち上....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
て来た時に、若槻にもちょいと頼まれていたから、便宜を図ってやっただけなんだ。蓄膿
症《ちくのうしょう》か何かの手術だったが、――」
和田は老酒《ラオチュ》をぐい....
「河童」より 著者:芥川竜之介
とにいろいろの河童の訪問を受けました。僕の病はS博士《はかせ》によれば早発性痴呆
症《そうはつせいちほうしょう》ということです。しかしあの医者のチャックは(これは....
「夢」より 著者:芥川竜之介
わたしはすっかり疲れていた。肩や頸《くび》の凝《こ》るのは勿論、不眠
症もかなり甚しかった。のみならず偶々《たまたま》眠ったと思うと、いろいろの夢を見....
「或る女」より 著者:有島武郎
に医師を訪れた。医師は手もなく、葉子のすべての悩みの原因は子宮|後屈《こうくつ》
症と子宮内膜炎とを併発しているからだといって聞かせた。葉子はあまりにわかりきった....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
拭いた。お前たちは母上を寝台の上に見つけると飛んでいってかじり付こうとした。結核
症であるのをまだあかされていないお前たちの母上は、宝を抱きかかえるようにお前たち....
「片信」より 著者:有島武郎
ておもむろに眼を開くような悦《よろこ》ばしい気持ちでいることができる。僕は今不眠
症にも犯されていず、特別に神経質にもなっていない。これだけは自分に満足ができる。....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
すか。」 「貴下御存じじゃあないのですか。」 「知らないね。」と気取った代脉が病
症をいわぬに斉しい。 わざと打解けて、底気味の悪い紳士の胸中を試みようとしたお....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
』又は『仏』のみを説きて、神意の行使者たる天使の存在を説かない教は、殆ど半身不随
症に罹って居る。無論ここにいう天使は、西洋式の表現法を用いたまでで、日本式でいえ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
十四五の女生徒の一人はまだいろいろのことを問いかけていた。僕はふと彼女の鼻に蓄膿
症のあることを感じ、何か頬笑まずにはいられなかった。それから又僕の隣りにいた十二....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
蜜柑も太だ小さい。僕は殊にこの蜜柑にアララギらしい親しみを感じた。(尤も胃酸過多
症の為に一つも食えなかったのは事実である。) 島木さんは大分憔悴していた。従っ....
「「ファン」について」より 著者:伊丹万作
るならば、私は中途半端な、いわゆるファンはあまり感心しない。 私の経験では、軽
症映画中毒患者の写真の見方よりも、平素まつたく映画に縁遠い連中の見方の方が純粋で....
「狂女」より 著者:秋田滋
て、この烈しい発作がおさまると、こんどは、倦怠とでも云うのだろう、どうやら静かな
症状がつづいて、さしもの彼女もあまり動かなくなった。食事もろくろく摂ろうとはせず....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
」 「いいえ、わけやないんだそうだけれど、転地しなけりゃ不可ッていうんです。何、
症が知れてるの。転地さえすりゃ何でもないって。」 「そんならようござんすけれど、....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
傘でいた私に寄越して「ちょっと骨が折れました、遠い引掛りなんですがね……聾で中風
症のお婆さんが一人留守をしているんだもの、驚きましたわ。」「驚いた。」と八さんが....