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痘
「痘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ようで、実は見かけほど、変わっていない。もっとも顔かたちは、七八年|前《まえ》の
痘瘡《もがさ》が、おれには重く、弟には軽かったので、次郎は、生まれついた眉目《み....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
に生徒を処罰する権利はおのずから彼等を暴君にした。彼等は彼等の偏見を生徒の心へ種
痘する為には如何なる手段をも選ばなかった。現に彼等の或ものは、――達磨《だるま》....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
《と》めた物売りの前へ歩み寄った。緑いろの鳥打帽《とりうちぼう》をかぶった、薄い
痘痕《あばた》のある物売りはいつもただつまらなそうに、頸《くび》へ吊《つ》った箱....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
ンハイ》のあるカッフェだった。(彼はそれから半年《はんとし》ほど後《のち》、天然
痘《てんねんとう》に罹《かか》って死んでしまった。)僕等は明るい瑠璃燈《るりとう....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、どうしても昔のお蓮さんとは見えない。」
田宮は明《あかる》いランプの光に、薄
痘痕《うすいも》のある顔を火照《ほて》らせながら、向い合った牧野へ盃《さかずき》....
「百合」より 著者:芥川竜之介
さんたちは喧嘩かよう。」
二人はやっと掴《つか》み合いをやめた。彼等の前には薄
痘痕《うすいも》のある百姓の女房が立っていた。それはやはり惣吉《そうきち》と云う....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
を見ていたおれは、ええ、これ、どんな気がしたとおまえは思う」 という声濁りて、
痘痕《とうこん》の充《み》てる頬骨《ほおぼね》高き老顔の酒気を帯びたるに、一眼の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
留めて、請取って見ると、ちょっと心当りが無かったが、どんな人だ、と聞くと、あの、
痘痕のおあんなさいます、と一番|疾く目についた人相を言ったので、直ぐ分った。 ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
狐とも狸とも、姑獲鳥、とも異体の知れぬ、中にも虫喰のござります葉の汚点は、癩か、
痘痕の幽霊。面を並べて、ひょろひょろと蔭日向、藪の前だの、谷戸口だの、山の根なん....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
鳴りそう。左の一眼べとりと盲い、右が白眼で、ぐるりと飜った、しかも一面、念入の黒
痘瘡だ。 が、争われないのは、不具者の相格、肩つきばかりは、みじめらしくしょん....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
ある。 この明で、白い襟、烏帽子の紐の縹色なのがほのかに見える。渋紙した顔に黒
痘痕、塵を飛ばしたようで、尖がった目の光、髪はげ、眉薄く、頬骨の張った、その顔容....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
をいうなよ。息子はおとなしく内輪が好い。がつらつら思うに、茶屋の帳場は婆さんか、
痘痕の亭主に限ります。もっともそれじゃ、繁昌はしまいがね。早いから女中はまだ鼾で....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
仏だといいますが、寝釈迦だか、化地蔵だか、異体の知れない、若い癖に、鬼見たような
痘痕面で、渾名を鍍金の銀次ッて喰い詰めものが、新床だと嗅ぎ出して、御免下さいまし....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
めちゃあいない。気まぐれに、舞を見るものも、ごま点と首ッぴきだから、天人の顔は黒
痘痕さ。」 八郎は恥ずるがごとく、雪代の羽織を引被った。 しかり。――十五の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
男女登山参拝するがごとき、婦女子が毎日黒衣をかぶりて寺院に参詣するがごとき、天然
痘の今なお流行して
痘痕を有する人の多きがごとき、義務教育を実施せず、慈善事業の発....