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痛がる
「痛がる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痛がるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
たが、夏目さんは強いてコカエン注射をしてもらった上に、いざ手術に取りかかると実に
痛がる様子を見せたので、看護婦どもが笑ったそうである。そんなことを話してから夏目....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
、生血がにじみ出しました。 「痛い、痛い。どうしたのだろう。」 主人がしきりに
痛がるので、お幾もおどろいてだん/\詮議すると、たった今、盥のなかの鰻をいじくっ....
「野狐」より 著者:田中英光
ものになった。さすがの桂子も痛がって、それを厭がるほどだった。いつになく、局部を
痛がる桂子にお人好しの私はなんの疑念も持たなかった。ただ依然として、彼女は無知で....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
た。彼は診察の結果を聞いてから、ここを引き揚げたものかと独りで思い患っていたが、
痛がる下の腫物を指で押したり何かしていた院長は、 「もう膿んでいる。これは痛いで....
「刻々」より 著者:宮本百合子
に止められて、照れくさそうにしかも狡《ずる》く、言葉をにごした。 「頸のうしろを
痛がるのはそうでしょう?」 「……どっち道手術しなけりゃなりませんな」 明らか....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
をさがし求める幼児のように、彼の方に寄ってきたのであった。 杜は睡りもやらず、
痛がるお千の腕をソッと持っていてやった。―― (お千は、あのことを思っているのじ....
「新春・日本の空を飛ぶ」より 著者:坂口安吾
石を倒して踊り出たようなものだ。奈良から晴れた空を急降下、伊丹飛行場につく。耳を
痛がる人が多い。急に増圧のせいだ。着陸卅分後まだ耳が聞えないとこぼす人もいる。私....
「山吹」より 著者:泉鏡花
産を持込みませんと、いびり出されるばかりなんです。咳をしたと言てはひそひそ、頭を
痛がると言っては、ひそひそ。姑たちが額を集め、芝居や、活動によくある筋の、あの肺....
「転向」より 著者:和辻哲郎
しまう。そうしてその際、自欺の衣を剥ぎ偽善の面をもぐような、思い切った皮肉の矢を
痛がる所へ射込む、ということに、知らず知らず興味を感じていないとは言えない。 ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
を斬れっ」
空へ眼をすえて、清十郎は喚きつづけていた。
あまり怪我人が
痛がるので、戸板の四隅を持って歩いてゆく門人たちは――殊にそれが師とよぶ人である....