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痛し痒し
「痛し痒し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痛し痒しの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
撃を与えて、実力的に圧倒することが必要だと思っていたから、幕府からの大政奉還は、
痛し痒しであったのである。 だから、それに対して、朝廷には二つ議論があった。そ....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
実は今日の男も女もすでに知っているのである。結婚という制度は青年子女にとっては、
痛し痒しの制度となりつつある。そう感じられるのは、結婚難というものが、ごく普通な....
「文学上の復古的提唱に対して」より 著者:宮本百合子
うだが、どういうわけか近頃はあれが出て、刷っても刷っても売り切れるので、と微妙な
痛し痒しを経験しているらしい様子であるとも聞いた。 今日文学の仕事にたずさわる....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
しなければならないのであった。 この二人の上京は、実のところ葉之助にとっては、
痛し痒しというところであった。彼は依然としてお露に対しては強い恋を感じていた。出....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
のもあるらしい。 減刑運動はこう云う次第でかく取り扱いにくい。之には警察当局も
痛し痒しで、その取り締りの程度に迷って了う。何しろ相手は×××背景にもっているの....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
まま戸棚につくねてあったりすると気になってしかたがなかったからいい心持です。でも
痛し痒しで私は苦笑している、というわけは、マツは二日ばかりここへ来て大掃除手つだ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
悪くなっているので、こういう際に皇帝が日本にやって来られるのは、われわれにとって
痛し痒しで、その取扱いというものはまるで腫物に触るようにやらんけりゃならん。……....
「娘」より 著者:岡本かの子
櫛笄等に鼈甲の需要をまた呼び起したと共に、一方大陸への捌け口はとまった。商売は、
痛し痒しの状態であった。 一ばん大敵なのは七八年前から特に盛になった模造品の進....
「私の見た大学」より 著者:戸坂潤
裏から言えば、半分アカデミシャンで半分ジャーナリストである私の書く大学論は、実は
痛し痒しの態なのである。....