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痛み
「痛み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痛みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
汗ににじんで、左の小鬢《こびん》から流れている。が、死に身になった次郎には、その
痛みも気にならない。彼は、ただ、色を失った額に、ひいでた眉《まゆ》を一文字にひそ....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
衰弱して行った。彼の永年の病苦は勿論《もちろん》、彼の背中から腰へかけた床ずれの
痛みも烈《はげ》しかった。彼は時々|唸《うな》り声《ごえ》を挙げ、僅《わず》かに....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
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馬は、創《きず》の
痛みで唸《うな》っている何小二《かしょうじ》を乗せたまま、高粱《こうりょう》畑の....
「葱」より 著者:芥川竜之介
悪辣《あくらつ》になったのであろうか。あるいはまたさもなければ齲歯《むしば》でも
痛み出して来たのであろうか。いや、お君さんの心を支配しているのは、そう云う俗臭を....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
かせないです。まず差当《さしあた》りは出来る限り、腹を温める一方ですな。それでも
痛みが強いようなら、戸沢さんにお願いして、注射でもして頂くとか、――今夜はまだ中....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
「どうじゃ、痛むか?」と尋ねた。すると一人は「難有《ありがた》い仕合せ、幸い傷は
痛みませぬ」と答えた。が、三右衛門は苦《にが》にがしそうに、「かほどの傷も痛まな....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
を敷いたまま、しばらくは黙って物静な部落の日暮を見下していた。
「どうです。瘤は
痛みますか。」
「大して痛まない。」
「米《こめ》を噛《か》んでつけて置くと好《....
「少年」より 著者:芥川竜之介
なりよ」と云うものもある。「おいらのせいじゃなあい」と云うものもある。が、保吉は
痛みよりも名状の出来ぬ悲しさのために、二の腕に顔を隠したなり、いよいよ懸命に泣き....
「或る女」より 著者:有島武郎
どく不規則じゃありませんか……痛むのは頭ばかりですか」
「いゝえ、お腹《なか》も
痛みはじめたんですの」
「どんなふうに」
「ぎゅっと錐《きり》ででももむように…....
「或る女」より 著者:有島武郎
こんな妄想《もうそう》に身も心もかきむしられていた。だんだん募って来るような腰の
痛み、肩の凝り。そんなものさえ葉子の心をますますいらだたせた。
ことに倉地の帰....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
さし上げたまま、半時間も立たされていたことがあった。こういう時に擲られるのは格別
痛みを感ずるものではない。しかし、大勢の生徒の前に立たされているのはせつないもの....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
界へと険難を侵して進む。そして如何なる生命の威脅にもおびえまいとする。その時傷の
痛みは私に或る甘さを味わせる。然しこの自己緊張の極点には往々にして恐ろしい自己疑....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
っと恐縮して然るべき筈である。 帰りに池の端から電車へ乗ったら、左の奥歯が少し
痛み出した。舌をやってみると、ぐらぐら動くやつが一本ある。どうも赤木の雄弁に少し....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
た。僕は思わず顔をそむけ、広い横町を曲って行った。が、暫らく歩いているうちに痔の
痛みを感じ出した。それは僕には坐浴より外に瘉すことの出来ない
痛みだった。 「坐浴....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
のように声をかけたりした。この神経痛と思ったものが実は後に島木さんを殺した癌腫の
痛みに外ならなかったのである。 二三箇月たった後、僕は土屋文明君から島木さんの....