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痛む
「痛む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痛むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ゆがめた。それとほとんど同時に、雲の影が消えて、往来はたちまち、元のように、目が
痛むほど、明るくなる。――猪熊《いのくま》のばばも、腰をそらせて、ひとしきり東鴉....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
まだ往来の雨のしぶきが、感ぜられるような心もちがした。
「やっぱりお肚《なか》が
痛むんでねえ。――熱もまだ九度《くど》からあるんだとさ。」
叔母は易者《えきし....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
修はこの二人を召し、神妙の至りと云う褒美《ほうび》を与えた。それから「どうじゃ、
痛むか?」と尋ねた。すると一人は「難有《ありがた》い仕合せ、幸い傷は痛みませぬ」....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
切らない態度で、お相手をつとめていた。第一、ばかに暑い。それから、胃がしくしく、
痛む。とうてい彼のしゃべる英語を、いちいち理解するほど、神経を緊張する気になれな....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、東両国へ急がせました。が、その途中も動悸《どうき》はするし、膝頭の傷はずきずき
痛むし、おまけに今の騒動があった後ですから、いつ何時この車もひっくり返りかねない....
「或る女」より 著者:有島武郎
知った。その顔には心配そうな驚きの色が明《あか》らさまに現われていた。
「ひどく
痛むんですか」
「ええかなりひどく」
と答えたがめんどうだと思って、
「いいか....
「或る女」より 著者:有島武郎
なっているわけではあるまい。葉子はその子の事を思うとどうしたわけか定子の事を胸が
痛むほどきびしくおもい出してしまった。鎌倉《かまくら》に行った時以来、自分のふと....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
ません。僕はジムの絵具がほしくってほしくってたまらなくなってしまったのです。胸が
痛むほどほしくなってしまったのです。ジムは僕の胸の中で考えていることを知っている....
「星座」より 著者:有島武郎
にもかかわらずおぬいさんが処女らしい羞《は》じらいのために、深々と顔を伏せたのが
痛むほどきびしく園の感覚に伝ってきた。
小母さんは切れ切れな園の言葉を聞くと、....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
ぼりしている。小使溜に。」 「時ならぬ時分に、部屋へぼんやりと入って来て、お腹が
痛むのかと言うて聞いたでござりますが、雑所先生が小使溜へ行っているように仰有った....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
弁当時で太陽は最頂、物の影が煎りつく様に小さく濃く、それを見てすらぎらぎらと眼が
痛む程の暑さであった。 私は弁当を仕舞ってから、荷船オデッサ丸の舷にぴったりと....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
髪をばらりと振って、私の手をむずと取って駆出したんだが、引立てた腕が※げるように
痛む、足も宙で息が詰った。養子は、と見ると、目が血走っていようじゃないか。 泣....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
お雪は遁帰る機掛もなし、声を立てる数でもなし、理窟をいう分にも行かず、急にお腹が
痛むでもない。手もつけられねば、ものも言われず。 径ややその半を過ぎて、総曲輪....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
で興行する、それ目録だわ、つかいものだ、見舞だと、つきあいの雑用を取るだけでも、
痛む腹のいいわけは出来ない仕誼。 随分それまでにもかれこれと年季を増して、二年....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
れでもこの野郎の背中へ負をしましたぜ。あとで考えると気の毒でさ、女の気じゃあ疵が
痛む方がどんなにお恰好だか知れませんよ。 全く叱りつけるように勧めたんですから....