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「痛嘆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

痛嘆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
とは遥《はる》かに困難に富んでいたらしい。半三郎は彼の日記の中に絶えずこの困難を痛嘆している。 「七月×日 俺の大敵は常子である。俺は文化生活の必要を楯《たて》....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
るのに、その地方人士の一部がかくも懦弱にして狡猾なる気風に向いつつあるのは、実に痛嘆すべき次第である。かかる傾向は決してこの地方に限った事ではなく、今や全国に漲....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
うき》なものです。 と言うのは、年々歳々、日を追うて次第に士風の遊惰に傾くのを痛嘆いたしまして、士気振興武道奨励の意味から、毎年この四月の月の黄道吉日《こうど....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
、人ではありませんよ」と、新一郎は、薩長の権力が動かすべからざるものであることを痛嘆した。 「そうかな。そういえば、高松などは立ち遅れであったからな。しかし、会....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
強調される今日、未だに真に八紘一宇の大理想を信仰し得ないものが少なくないのは誠に痛嘆に堪えない。 最終戦争が遠い将来には起るかも知れないが、僅々三十年内外に起....
ある抗議書」より 著者:菊池寛
。私は、こうした男の刑期を、監獄内の善行なるものに依って、短縮した当局者の不明を痛嘆するのですが、然しそれはそれとして置いて、坂下鶴吉の善行がこの程度の善行であ....
」より 著者:島崎藤村
惑をも顧みられなかったことを掻口説くようにして、長兄にしてこの事あるはくれぐれも痛嘆の外は無い、と書いて寄した。 三吉は二度も三度も読んでみた。旧い小泉の家を....
」より 著者:島崎藤村
り世に伝えられるように成った。改革者のような熱烈な口調で、かつて先生が慷慨したり痛嘆したりした声は、皆な逆に先生の方へ戻って行った。正義、愛、美しい思想――そう....
もの思う葦」より 著者:太宰治
神も鬼も信じていない。人間だけを信じている。華厳の滝が涸れたところで、私は格別、痛嘆しない。けれども、俳優、羽左衛門の壮健は祈らずに居れないのだ。柿右衛門の作ひ....
鬱屈禍」より 著者:太宰治
後世、傍観者の言葉である。 ミケランジェロだって、その当時は大理石の不足に悲憤痛嘆したのだ。ぶつぶつ不平を言いながらモオゼ像の制作をやっていたのだ。はからずも....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
った秩序が血迷った自由に対して得た勝利を、多くは汚すものである。要するに、暴動は痛嘆すべきものであった。」 いわゆる民衆たる中流民が喜ぶところのいわゆる英知は....
人工心臓」より 著者:小酒井不木
と同時に、これ等の大天才たちは、何故、人工心臓の発明に力を注いでくれなかったかと痛嘆するのでありました。昔から医学史上に大きな足跡をつけた人は可なりに沢山ありま....
西瓜」より 著者:永井荷風
に柔順でないからである。わたくしの父はわたくしが文学を修めたことについて、いかに痛嘆しておられたかは、その手紙の外には書いたものが残っていないので、今これを詳《....
日和下駄」より 著者:永井荷風
いつまでも彳《たたず》んでいた。私たちは既に破壊されてしまった有馬の旧苑に対して痛嘆するのではない。一度《ひとたび》破壊されたその跡がここに年を経て折角|荒蕪《....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
の代りに犬ばかり可愛がっている貴婦人もある。 彼は現代文明の変則なことを心より痛嘆した。より美しく、より真に生きるには都会文明を破壊するに限るとつくづく考えた....