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痛憤
「痛憤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痛憤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
撒き散らさむ。死ね! われら、いま、微細といえども、君ひとり死なせたる世の悪への
痛憤、子々孫々ひまあるごとに語り聞かせ、君の肖像、かならず、子らの机上に飾らせ、....
「風の便り」より 著者:太宰治
。あの外八文字が、みんなに吹聴《ふいちょう》したのに違いありません。その夜は私も
痛憤して、なかなか眠られぬくらいでしたが、でも、翌《あく》る朝になったら恥ずかし....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
値切って買って来て、得々《とくとく》としていた時など、次男は、陰でひとり、余りの
痛憤に、大熱を発した。その熱のために、とうとう腎臓をわるくした。ひとを、どんなひ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
気の毒になる。あの声は勇猛精進《ゆうもうしょうじん》の声じゃない、どうしても怨恨
痛憤《えんこんつうふん》の音《おん》だ。それもそのはずさ昔は一人えらい人があれば....
「新生」より 著者:島崎藤村
、眼に見えない迫害の力のために踏みにじらるることや、耐《こら》えに耐えている心の
痛憤や、それらのものをどうかすると堪《た》えがたくはかなく味気《あじけ》なく思わ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
させようとする行為である、北条足利にもまさる逆謀というのほかはない、これには切歯
痛憤、言うべき言葉もないという意味のことが書いてあったという。その中にはまた、外....
「家」より 著者:島崎藤村
食うという宗蔵の憂愁を遣るものは、僅かにこの和歌である。読み聞かせているうちに、
痛憤とも、悔悟とも、冷笑とも、名の付けようの無い光を帯びた彼の眼から――ワンと口....
「愛と美について」より 著者:太宰治
を五十円に値切って買って来て、得々としていたときなど、次男は、陰でひとり、余りの
痛憤に、大熱を発した。その熱のために、とうとう腎臓をわるくした。ひとを、どんなひ....
「李陵」より 著者:中島敦
き、嗚咽《おえつ》とも怒号《どごう》ともつかない叫びが彼の咽喉《のど》を破った。
痛憤と煩悶《はんもん》との数日のうちには、ときに、学者としての彼の習慣からくる思....
「糸くず」より 著者:国木田独歩
嘲笑一時に起こりし間を立ち去った。 かれは恥じて怒って呼吸もふさがらんばかりに
痛憤して、気も心もかきむしられて家に帰った。元来を言えばかれは狡猾なるノルマン地....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
と死んでしまえ、と怒鳴りつけたのである。 最も熱烈な愛国者の一人であった女将の
痛憤や、いかに。身にうけた侮辱の数々を遺書に残して、彼女は即夜、なつかしのふるさ....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
日、日曜の外出先に於て旧友と会し、たまたま彼が軍人を誹謗する言辞を弄するを聴き、
痛憤に堪えず、遂にその頭上に鉄拳を加えたり。想うに、男子侮辱に報ゆるに侮辱を以て....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
するような政府が未だに存在していたり、近年はかえすがえすも取り返しのつかぬような
痛憤やる方ないことのみが多いが武田さんの死もまた取りかえしのつかぬ想いに私をうろ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
いような悔恨の情もこみ上げて来た。 居士が余に別れて独り根岸の家に帰って後ちの
痛憤の情はその夜居士が戦地に在る飄亭君に送った書面によって明白である。その書面の....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
彼女のやりかたを悲しみ、後代の帝国主義的歴史家たちも、いつも、かかる彼女について
痛憤の手を絞るのである。なぜ彼女は大胆に、明快に、ヨーロッパ新教徒の盟主として一....