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「痛手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

痛手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ことの為に自殺しようと決心した。が、その位のことの為に自殺するのは彼の自尊心には痛手だった。彼はピストルを手にしたまま、傲然《ごうぜん》とこう独《ひと》り語《ご....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
歯を喰いしばった。 路面に転っていると、群衆に踏みつぶされる虞れがあるので彼は痛手を堪えて、じりじりと、商家の軒下へ、虫のように匍っていった。 右手を伸ばし....
地球盗難」より 著者:海野十三
合戦を好むとはいえ、なんという浅ましいことであろうか。 純真な大隅学士は、心の痛手にたえやらず、悶々として下宿の一室に閉じ籠り、一歩も外に出でなかった。そのう....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
して、鯉鰻を供給するので、鼎造の商会は産魚の販売にも苦戦を免れなかった。しかし、痛手の急性の現われは何といっても、この春財界を襲った未曾有の金融恐慌で、花どきの....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
剣をふるって蛇を斬った。 さすがの大蛇も犬に噛まれ、剣に傷つけられて、数カ所の痛手に堪まり得ず、穴から這い出して蜿打ちまわって死んだ。穴へはいってあらためると....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
たものの、よく考えてみると、伯爵にとっては、手中の玉をなくしたよりももっと大きい痛手だった。 毎日あの名画を見、あの名画を頼りにして辛うじて生き続けて来たのに....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
の大部分がふくまれでいたんだ。一度に、知識階級の大部分を失ったことは、たいへんな痛手《いたで》だ。この国は、もう一度立直れるかどうか、あやしくなった」 と、ま....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
それだけであった。十数名の兵士が、死傷したのが、キンギン国軍にとって、最も大きな痛手であった程度で、地下にあるマイカ大要塞の防禦力は微動だにしなかった。 その....
四次元漂流」より 著者:海野十三
、手がかりは全くないと分ると、課長の心には、大金庫を重要書類と共に失ったことが大痛手としてひびきつづけるのであった。 (万事休した。一体どうすればいいのか) ....
怪塔王」より 著者:海野十三
す。 「なんのことだ。とうとううまく逃げられちまった。ざんねん!」 兵曹長は、痛手に屈せず、立ちあがりました。このうえは、空中へ信号をして戦友に対し、自分や帆....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ほど向脛をうちつけ、どたんと床に倒れた。 「しまった。欺しやがったな」 杉田は痛手をこらえよろよろと起きあがると、いま入ってきた入口の扉の方へ突進した。 扉....
空襲警報」より 著者:海野十三
う大なるものであります」 香取将軍は大きくうなずいた。 「しかるに、S国はその痛手には一向参る様子もなく、チ市にあらかじめ待機させてあった超重爆撃機七十機を、....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
恋に破れたる心をいだいて、現世の境いを苦しく越えなければならない。彼女はその心の痛手を楽園の泉にひたし、または不滅の光りに照らさせて、その悲しみを忘れなければな....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
期待しているにちがいない。がそれに反してイギリス側には、この秘境暴露がひじょうな痛手になるのだ。 インドへの道――その間に横たわる大秘密境「大地軸孔」。そうだ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
飽きかかって来たところへ、一方の大将分を突然にうしなったということが確かに彼らの痛手であった。勿論、その後も一方は吉右衛門を押立て、一方は又五郎を押立てて、やは....