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「痛痒い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

痛痒いの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
いた。瓜わらべは小竹の中へ逃げ込みそうなので片手で押えた。 膝がしらがちくちく痛痒い。翁が検めみると獣の蝨《だに》が五六ぴき褌《はかま》の上から取り付いていた....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
る彼女を羨ましく思った。彼は癒えきってしまった古創の痕に触わられるような、心持ち痛痒いような感じで、すっかり巷の女になりきってしまって、悪くぶくぶくしている彼女....
渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
のである。彼は自分で、自分の破廉恥に苦しみながら、その苦悩の底に澱む、愛に似た、痛痒い心持を、色褪めた舌で、嘗め尽そうとしたのである。 十六 ....
貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
向うには、林に包まれた墓地が見渡せた。 新さんは、足の裏に針の束で突つくような痛痒い痺《しび》れを感じながら腕枕して静かに眺めていると、生々《いきいき》した日....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
女が、客商売で出るもんだで、夜がふけてでも見なさいよ、いらいらして、逆気上って、痛痒い処を引掻いたくらいでは埒あかねえで、田にしも隠元豆も地だんだを蹈んで喰噛る....
盗難」より 著者:宮本百合子
身構えて居る男の背後にかくされてある様子を思うと、ほんとに背骨の一番とっぽ先が、痛痒い様な感じを起して来る。 若し自分でも、フト用足しに起きでも仕て、彼那どこ....
性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
、彼女がこころから贖罪の涙を流して泣き悲しむのを見詰めたりしたら、どんなに快い、痛痒い気持になることであろう。そしてまた彼女が悔い改めて自分を慕って、しまいには....