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痣
「痣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
なものが、上になると、再び小刀《さすが》がきらりと光って、組みしかれた男の顔は、
痣《あざ》だけ元のように赤く残しながら、見ているうちに、色が変わった。すると、相....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
まに背中に乗せたが、じっと見て、
(まあ、)
(どうかいたしておりますか。)
(
痣《あざ》のようになって、一面に。)
(ええ、それでございます、酷《ひど》い目に....
「俘囚」より 著者:海野十三
である。もう拭《ぬぐ》っても拭い切れない。あたしの肉体には、夫殺しの文字が大きな
痣《あざ》になっているのに違いない。誰がそれを見付けないでいるものか。じわりじわ....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
をつけて伺うと、袖のあたりに、すうーと暗くなる、蝋燭が、またぽうと明くなる。影が
痣になって、巴が一つ片頬に映るように陰気に沁み込む、と思うと、ばちゃり……内端に....
「階段」より 著者:海野十三
まるで音がしなかった。それとともに何ヶ月振りかで彼女の白い太股についている紫色の
痣のようなものを見た。それは軽業師にして始めてよくする処の外のなにものでもない。....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
なによりも一郎の魂を奪ったものは、その男の赭顔の半面にチラと見えた恐ろしく大きな
痣であった。 「待て――」 一郎は相手を見てとると、勇敢に突進していった。
痣の....
「蠅男」より 著者:海野十三
あとは三人になった。 「するとカオルさん。貴方はなにかお父さまの身体についていた
痣とか黒子とか傷痕とかを憶えていませんか」 と、何を思ったものか帆村はさきほど....
「地球盗難」より 著者:海野十三
んで、話を中断した。そのとき、彼の額から、パッと黄色い煙が立ちのぼり、額の真中に
痣のような一銭銅貨大の赤い斑点が現れた。彼はウムと呻ると、右手でその額を押えた。....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
近に、お母さんが、あの、火事場へ飛出したもんですから、そのせいですって……私には
痣が。」 睫毛がふるえる。辻町は、ハッとしたように、ふと肩をすくめた。 「あら....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
縞お召に、ゆうぜんの襲着して、藍地糸錦の丸帯。鶸の嘴がちょっと触っても微な菫色の
痣になりそうな白玉椿の清らかに優しい片頬を、水紅色の絹|半※でおさえたが、且は桔....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
抉った、突いた、血が流れる、炎が閃めいて燃えつくかと思う、洪と迸ったような真赤な
痣があるんです。」 山伏は大息ついて聞くのである。 「その
痣を、貴婦人が細い指....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、どう仕り……床屋の妹というのはちょいと娘柄は佳うございましたけれど、左の頬辺に
痣があって第一円顔なんで。」 「よく演劇でしたり、画に描いたりするのは腰から下が....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ような眉が動いて、さも重そうな首を此方に捻向けんとして、それも得せず。酒の汚点で
痣かと見ゆる、皮の焼けた頬を伝うて、こけた頤へ落涙したのを、先刻から堪りかねて、....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
物が届けられますんで、別に気にも留めず、ボーイが受取ったそうですが、眼の下に青い
痣のある大きな顔の男だと申して居ります」 この時杉山は立松の方に向をかえて、 ....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
が――。養父は眼をむいて、私を打ちました。投げつけた一輪ざしで私は散々打たれて、
痣だらけになりました。 私はもう今日限りこの家を出ます、そしてタイピストになっ....