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痩せ馬
「痩せ馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痩せ馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
った。 行手に茅萱の斜面があった。 数頭の馬が草を食んでいた。骨と皮ばかりの
痩せ馬であった。どこかの戦場から逃げて来て、ひとりで生活きている馬らしかった。 ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
辛勤仕り、冬春の雪道、凍り道等の節は、荷物|仕分に候わでは持ち堪えがたく、病み馬
痩せ馬等も多くでき、余儀なく仕替馬つかまつり候わでは相勤めがたく、右につき年々お....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
りと眺め入っていたが、日が暮れぬうちと思って、下宮川の谷へ下り始めた、その尾根は
痩せ馬の背のように細くて、偃松が鬣を振り分けている、剃刀の刃のような薄い岩角を斜....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
むち》の雨を降らすのだ。『たとい手前の手に負えなくっても、引け、死んでも引け!』
痩せ馬が身をもがくと、やるせない動物の泣いているような『すなおな眼』の上を、百姓....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
驚いたの驚かないのではありません。なぜかといえばそれは二匹とも、形は見すぼらしい
痩せ馬でしたが、顔は夢にも忘れない、死んだ父母の通りでしたから。 「こら、その方....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
しにさえとめないような、みすぼらしい老人と、ふきだしたくなるような跛《ちんば》の
痩せ馬の平和な交渉をながめているときくらいたのしいことはない。こんなうれしい気持....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
来たが、人買いは社会にたくさん生きている。足利の領下でも、わけて飢饉年などには、
痩せ馬なみに市で売られる子が野菜籠の中や陽溜りの辻に、群れとなって曝されるのはめ....
「はつ恋」より 著者:神西清
「まあそれより、馬とびでもして遊んだらいいだろう」と、父は答えた。――「おまえの
痩せ馬じゃ、とてもついて来られまいからな」 「ついて行けますよ。僕も拍車をつける....