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痩地
「痩地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痩地の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
苦しみだ。 地球の北端――そこでは人の生活が、荒くれた自然の威力に圧倒されて、
痩地におとされた雑草の種のように弱々しく頭をもたげてい、人類の活動の中心からは見....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
た。熊さんが、どこへ持って行っても相手にしない、山根の、松林のかげで日当りの悪い
痩地を、うまげにすゝめてくると、また、口車にのって、そんな土地まで、買ってしまっ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
巻いてきた。 とくにこの手についていた越後新田党の北国武士は果敢だった。山国の
痩地でそだち、累代、半百姓の飢寒と不平にたえてきた欲望の猛兵である。とかく栄耀の....
「脚」より 著者:吉川英治
―― 痩せた畑を、小作の子が、聞き覚えの味噌煮唄をどなって通った。彦太は、この
痩地と百姓との宿命を、呪うように、腕ぐみしていた。日が暮れても、たね油の灯が燈せ....