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「痩身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

痩身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
、鯨ヶ丘の上に威勢よく昇って来ました。麻雀聯盟の委員長である賀茂子爵の鶴のような痩身の隣りには、最高の段位を持つ文士樋口謙氏の丸まっちい胡桃のような姿を見かけま....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
集成には、検事が思わず嘆声を発し、唖然となったのも無理ではなかった。しかも、その痩身的な努力をみても、すでに法水自身が、水底の轟に耳を傾けていた一人だったことは....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
二人、うしろには、富裕なしかし商略に鋭そうな目付をした、顴骨《かんこつ》の張った痩身《そうしん》の男が控えていた。その外は、供の者であろう―― と、雪之丞は、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、以前の白衣の女とは似ても似つかぬ、黒衣覆面にして、両刀を帯び、病めるものの如き痩身《そうしん》の姿でありました。 こうなってみると、この覆面の姿も、断じてお....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
な。」 と誰かいうと、このお旗本は、杯口《ちょく》を下の膳《ぜん》の上において、痩身《そうしん》の男が、猫のように丸めた背中をくねらし、木乃伊《みいら》みたいに....
丹下左膳」より 著者:林不忘
げかわすありさまが、影絵のように手にとるごとく見えるのだ。 となりの広間には、痩身左腕の剣舞が今や高潮……。 そのためこの一座は次の部屋のさわぎに気がつかな....
丹下左膳」より 著者:林不忘
かの声に、一同の顔が戸口に向いた。 闇を背景に、格子をふさいで立っている白衣の痩身。手のない右袖が、夜風のあおりをくらってブラブラしているのは……丹下左膳。 ....
塩花」より 著者:豊島与志雄
友であった井野氏が、広間の話などには全く無関心に、或る青年と碁をうっていた。この痩身長躯の篤学者は、日本服の着流しにあぐらを組み、ビールを数本ひきつけて、飲みな....
波多野邸」より 著者:豊島与志雄
ってる恰好な室があった。 彼の碁の相手になってる井野老人は、まだ髪の毛が濃く、痩身長躯、たいてい和服の着流しで、何よりも囲碁が好きだった。研究所には可なりの蔵....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ら更に二旬は過ぎた。送って来た餅も尽きてしまった。危機のおびやかしが寒気とともに痩身に迫ってくる。 庭の面には残雪が、日中というのに解けもせずにすさまじく光っ....
黒い手帳」より 著者:久生十蘭
もりと盛りあがった固形物が紙屑のあいだに隠見していた。 長椅子の上には、極めて痩身の四十歳位と思われる半白の人物がいて、敵意に満ちた眼で自分を凝視していた。そ....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
特長で、鼻の高い、口もとに締りのある、ちょっと苦味走った男である。 紳士の前に痩身の骨の引き締った三十前後の男が茶縞の背広に脚袢という身軽な装束で突き立ったま....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
。一飛びごとに石は跳ね、火花は散った。イカバッドが懸命になって逃げようとし、長い痩身を馬の頭の前にのりだすと、その薄っぺらな洋服は空にぱたぱたひるがえった。 ....
四十年前」より 著者:内田魯庵
て踊り出すという騒ぎだ。ましてやその他の月卿雲客、上臈貴嬪らは肥満の松風村雨や、痩身の夷大黒や、渋紙面のベニスの商人や、顔を赤く彩ったドミノの道化役者や、七福神....
黒田如水」より 著者:吉川英治
、更に更に驚くべき者が、駒をつないで取次を求めていたのであった。 弱々と見える痩身白皙の、武者らしからぬ武者振りの一将と。 年のころ十三、四。身なりに合った....