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痲
「痲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
たしはこの間もある社会主義者に『貴様は盗人《ぬすびと》だ』と言われたために心臓|
痲痺《まひ》を起こしかかったものです。」
「それは案外多いようですね。わたしの知....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
当りますか――その母親の弟になる、茂作《もさく》と云う八ツばかりの男の子が、重い
痲疹《はしか》に罹《かか》りました。稲見の母親はお栄《えい》と云って、二三年|前....
「女」より 著者:芥川竜之介
た。
争闘は短かった。
蜂は間もなく翅が利《き》かなくなった。それから脚には
痲痺《まひ》が起った。最後に長い嘴《くちばし》が痙攣的《けいれんてき》に二三度|....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
呂がある、その温泉の石槽《いしぶね》の中にまる一晩沈んでいた揚句《あげく》、心臓
痲痺《しんぞうまひ》を起して死んだのです。やはり「ふ」の字軒の主人の話によれば、....
「或る女」より 著者:有島武郎
に、両足は固く重くなって一|寸《すん》も動きそうにはなかった。寒気のために感覚の
痲痺《まひ》しかかった膝《ひざ》の関節はしいて曲げようとすると、筋を絶《た》つほ....
「或る女」より 著者:有島武郎
るようなその香《にお》いを葉子は衣類をかき寄せて、それに顔を埋《うず》めながら、
痲痺《まひ》して行くような気持ちでかぎにかいだ。その香《にお》いのいちばん奥に、....
「外科室」より 著者:泉鏡花
かり答えたまう。 念を推して、 「それではよろしゅうございますね」 「何かい、
痲酔剤《ねむりぐすり》をかい」 「はい、手術の済みますまで、ちょっとの間でござい....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
腐《ちんぷ》なものとなってしまった場合、換言すれば感覚および感情が縦縞に対して鈍
痲《どんま》した場合に、横縞が清新な味をもって特に「いき」と感ぜられることが可能....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
れしまへんがな」柳吉は別に異を樹《た》てなかった。お辰は柳吉の方を向いて、蝶子は
痲疹厄《はしか》の他には風邪《かぜ》一つひかしたことはない、また身体《からだ》の....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
初期に螺旋菌が作り出すものは、現実を超えたる架空の世界ならずや。即ち余は、幹枝に
痲痺狂を発せしめて、それ特有の擬神妄想を聴かんと企てたるものなりき。果して、幹枝....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
すがな。せつかく御酒を一つと申されたものを、やけな御辞退で、何だかね、南蛮秘法の
痲痺薬……あの、それ、何とか伝三熊の膏薬とか言う三題|噺を逆に行ったような工合で....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の間人間最大の恐怖を味わっていた事になるだろうね。ねえ、薄気味悪い話じゃないか。
痲痺した体で眼だけを※って、その眼で、自分の首に手が掛かるまでの、惨らしい光景を....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ようだ。 が、長崎渡りの珍菓として賞でられた軽焼があまねく世間に広がったは疱瘡
痲疹の流行が原因していた。江戸時代には一と口に
痲疹は命定め、疱瘡は容貌定めといっ....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
来てるよ」と、仰有る内に、綸をするするするする持ってきますが、植木やさんは、少し
痲の気でお小用が永いですから、急に止める訳にもいかず、此方を振り反って見て、「お....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
ょうか。 何事にも小器用な公高は小鳥を飼い馴らすのが上手でした。恰度おそまきの
痲疹を患ってそれが癒ったばかりの時でした。屋上庭園で文鳥を放して遊びたいと云って....