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痲疹
「痲疹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痲疹の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
当りますか――その母親の弟になる、茂作《もさく》と云う八ツばかりの男の子が、重い
痲疹《はしか》に罹《かか》りました。稲見の母親はお栄《えい》と云って、二三年|前....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
れしまへんがな」柳吉は別に異を樹《た》てなかった。お辰は柳吉の方を向いて、蝶子は
痲疹厄《はしか》の他には風邪《かぜ》一つひかしたことはない、また身体《からだ》の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
そう気をつかうからいけない。まあ、このやさしい羊の目を御覧なさい。」 街道では
痲疹の神を送ったあとで、あちこちに病人や死亡者を出した流行病の煩いから、みんなよ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
たくらいのころだ。江戸表から、大坂、京都は言うに及ばず、日本国じゅうにあの悪性の
痲疹が流行して、全快しても種々な病に変わり、諸方に死人のできたこともおびただしい....
「加護」より 著者:宮本百合子
話を伺い始めて、いくらにもなりませんよ」 「時からいえばそうですけれどね――同じ
痲疹《はしか》でも、早くしてしまう児と、大きくなってする子とありましょう? やっ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ようだ。 が、長崎渡りの珍菓として賞でられた軽焼があまねく世間に広がったは疱瘡
痲疹の流行が原因していた。江戸時代には一と口に
痲疹は命定め、疱瘡は容貌定めといっ....
「本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
れに関しては後に述べるとする。そして朝鮮にはこの空葬が現今でも残っていて、疱瘡と
痲疹《はしか》で死んだ子供は空葬にせぬと他に伝染するとて、迷信的にこれを行うてい....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
ょうか。 何事にも小器用な公高は小鳥を飼い馴らすのが上手でした。恰度おそまきの
痲疹を患ってそれが癒ったばかりの時でした。屋上庭園で文鳥を放して遊びたいと云って....