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痴れ
「痴れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痴れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
男たちが、その六畳の部屋に集って、嬉しい時も悲しい時もこれだすわと言いながら酔い
痴れているのを、階段の登り口に寝かした母親の屍体の枕元から、しょんぼり眺めていた....
「振動魔」より 著者:海野十三
あっては、なんというその身識らずの貪慾者であろう。彼は、もう一人の牝豚夫人という
痴れものと、切るに切られぬ醜関係を生じてしまったのだった。 その牝豚夫人は、白....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
つけられることもあるが、何でもない。万一射ちころされたとしても散々甘味な酒に酔い
痴れたあとの僕にとって『死』はなんの苦痛でもなければ、制裁とも感じない。僕の家の....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
男が、いり込んで、遠慮深げに近所の人びとと交際うようになっていた。けれども、酔い
痴れたようなその静けさは、永くは続かなかった。煙草店が繁昌して、やがて女中を兼ね....
「河明り」より 著者:岡本かの子
態度には律義ななかに頼母しい才気が閃くのだった。 陽は殆ど椰子林に没して、酔い
痴れた昼の灼熱から醒め際の冷水のような澄みかかるものを湛えた南洋特有の明媚な黄昏....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
ら酒の香が立ちのぼるほど、 そして墓場へやって来る酒のみがあっても その香に酔い
痴れて倒れるほど、 ああ、そんなにも酒をのみたいもの! 81 尊い命の芽を摘....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
日を送って来た。だがこれからは慰められよう。私は事業を恋と換えた。恋の美酒に酔い
痴れよう。ほんとに男と云うものは、身も魂も何物かに打ち込まなければ生き甲斐がない....
「白痴」より 著者:坂口安吾
ているのみであった。驚くべきことに、深夜、伊沢の手が女にふれるというだけで、眠り
痴れた肉体が同一の反応を起し、肉体のみは常に生き、ただ待ちもうけているのである。....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
の街、ネオン・サインを僕は愛す。茶の湯の方式など全然知らない代りには、猥りに酔い
痴れることをのみ知り、孤独の家居にいて、床の間などというものに一顧を与えたことも....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
ゞ奥さんを心底から尊敬し、また愛し、まったく私は、下僕というものですよ」 酔い
痴れた衣子は、然し、もうこんな理窟は耳にきゝわけられなかった。 「どうなったって....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
大きな安堵、生きているというそのこと自体の自覚のようなひろびろとした落着きに酔い
痴れることができた。 そのくせ彼はこの海岸の旅館へきて、急に思いついたように、....
「母の上京」より 著者:坂口安吾
さすがに抑へる気持がある。けれども一日雨ふりのつれづれに酒をのむと三人ながら酔ひ
痴れて、みだらなことが当り前のやうな気分になつたとき、思はず夏川がその気になると....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
行き得ず、小田原で下車して(私は十年ほど以前に小田原に一ヶ年ほど住んでいた)酔い
痴れざるを得なかった。然し、熱海へついて後は、益々多量に覚醒剤をのみ、まったく必....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
界を、はっきりとまたぎ越えて、やがて訪れるであろう恋愛の世界に、身も世もなく酔い
痴れるのだった。 けれども、翌日から彼女を訪れるものは、やはり横蔵であって、慈....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
平美濃守のお邸は霞ヶ関の高台にあったが、勾坂甚内は徒党を率い、新玉の年の寿に酔い
痴れている隙を窺い、金蔵を破って黄金を持ち出した。 「いや春先から景気がよいぞ。....