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痴鈍
「痴鈍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痴鈍の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
だ。憚《はばか》りながらここまで来るには相当の修業が要《い》るんだからね。いかに
痴鈍《ちどん》な僕といえども、現在の自分に対してはこれで血《ち》の代《しろ》を払....
「中国に於ける二人のアメリカ婦人」より 著者:宮本百合子
グネスが「再び反抗して立ち上って」結婚というものを否定しはじめると、これは又何と
痴鈍に頑固に、非現実的に偏執的になるのであろう! この点では殆どすべての読者をお....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
とって、いかに重大な意義があるかということは、もはや説明を必要としないのである。
痴鈍なるインテリ大衆や人民大衆に反抗する、選良インテリの軒昂たる意気から云っても....
「鏡心灯語 抄」より 著者:与謝野晶子
本人としての私の自我が満足しないのを朧ろげに感じるまでに変化しているのであった。
痴鈍な私は幾多の迷路を迂回して今頃ようやく祖国の上に熱愛を捧げる一人の日本人とな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》ったものです。いきなりその女の子にビンタを一つポカリと食わせましたが、少し神経
痴鈍な女の子でしたから、別段、泣きもしないで、何の故に自分が打たれたのだか理解す....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しましたが、一面には、自分の頭に余り過ぎて考えられないものですから、その度毎に、
痴鈍な自分の頭脳《あたま》を振って、一も二も昔のことを考え出し、大先生のおっしゃ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
》な態度を検事は陪審員らに注意した。それは明らかに故意にやっているもので、被告の
痴鈍を示すものではなく、実に巧妙と狡猾《こうかつ》とを示すものであり、法廷を欺く....
「白痴」より 著者:坂口安吾
をぶらさげているだけで、たまに水をかけてみたり、ぼんやり立ったり歩いてみたり変に
痴鈍な動きで、その男の心理の解釈に苦しむような間の抜けた姿なのだった。ともかく一....