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痾
「痾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
をケンペルに与えたのである。大坂奉行の屋敷では、ケンペルはその奉行から十年来の宿
痾に悩まされていまだに全快しないでいる家人のあることを告げられ、どうしたらそれを....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
の厄難屡来りて遂に貧に陥り、居るに家無く、着るに衣無く、喰うに食無く、加うるに宿
痾に侵され、或は軽蔑せられ、人生に望を失うものより甚きはなからん。而して其由来す....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
い少録として渡海、慶雲元年帰朝、霊亀二年|伯耆守、神亀三年頃筑前守、天平五年の沈
痾自哀文(巻五・八九七)には年七十四と書いてある。この歌は多分筑前守時代の作で、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
った。)――ずいぶん馬鹿げたことをやって、また昔からの病気にかかってしまった。宿
痾《しゅくあ》の肺炎が再発したのであって、広場の市時代からかかり始めたものだった....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
して後の月 より江 三 境遇個性をよめる句 須磨の山荘に久しい宿
痾を養っているせん女氏には病の句が沢山ある。 病んでさへおればひまなり菊の晴れ ....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
し、纒めるよりほかなかった。恐らく、いろ/\な疎漏があると思う。それに、年来の宿
痾が図書館の古い文献を十分に調べることを妨げた。なお、戦争に関する詩歌についても....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
も世間に騒動《そうどう》を生じて、その余波近く旧藩地の隣傍に及ぶこともあらば、旧
痾《きゅうあ》たちまち再発して上士と下士とその方向を異《こと》にするのみならず、....
「国枝史郎氏の人物と作品」より 著者:小酒井不木
国枝史郎氏の作品に接したのは今から五年ほど前である。その頃私はパリーで再発した宿
痾を郷里へ持ち帰って、ずっと寝床の上に居たが、講談倶楽部に連載された氏の作「愛の....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
もはやその事に及ばずとなり。 後また数旬を経て、先生予を箱根に伴い霊泉に浴して
痾を養わしめんとの事にて、すなわち先生|一家子女と共に老妻諸共、湯本の福住に寓す....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
磨に在って静養の傍ら読書や執筆やに日を送った。『日本新聞』に連載しつつあった「養
痾雑記」は遂に蕪村の評論に及んでそれはそれのみ切り放して見ることの出来る一の長篇....
「小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
に危篤のまま四谷南寺町七番地の自宅に送られ、同日午後十一時ついに永眠せられた。宿
痾の動脈硬化症による心臓麻痺のためである。遺族、近親は遺骸を二階十畳の間に安置し....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
きを切言した二葉亭の巨眼は推服すべきものであった。 明治四十年の六月、突然|急
痾に犯されて殆んど七十余日間|病牀の人となった。それから以後著るしく健康を損じて....
「正宗谷崎両氏の批評に答う」より 著者:永井荷風
有島、芥川の二氏の如く決然自殺をするような熱情家ではあるまい。数年来わたくしは宿
痾《しゅくあ》に苦しめられて筆硯《ひっけん》を廃することもたびたびである。そして....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
でいるであろうが、今もって原因の推測が皆目つかぬには、困っている。棚田判事は、宿
痾の療養のため、一昨年十一月休職、故郷の大村市に引き籠って、静養に努めていた。来....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
に対比せしめて、次のように指摘した。イングランドの財源を枯渇せしめている目下の宿
痾は、アイルランドの反乱であるが、それを完全に掃蕩する唯一の望みは、スペインとの....