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瘋
「瘋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瘋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
めて、細君の見ている前で、最愛の夫を打ち殺した。そうして狂人の名の下《もと》に、
瘋癲院《ふうてんいん》に送られた。彼は驚ろくべき思慮と分別と推理の力とをもって、....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
知ってから、最前の熱心と苦心が何だか無駄骨のような気がして腹立たしくもあり、また
瘋癲病《ふうてんびょう》者の文章をさほど心労して翫味《がんみ》したかと思うと恥ず....
「変なあたま」より 著者:辻潤
いまのところ自分は完全な「廃人」なのである。もし、引きとり手がなかったら自分は
瘋癲病院に今なお一患者として止まるか、養育院にでも鞍替えしているかも知れないのだ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
から云えば当り前です。孰れの家にも随分家名に障る様な家族は有る者で、公の養育院や
瘋癲院《ふうてんいん》などへは入れ兼ねる場合に医者に頼むのです。医者は頼まれて真....
「科学者と芸術家」より 著者:寺田寅彦
の方則を無視しないものでなければならない。これを無視したものがあればそれはつまり
瘋癲病院の文学であろう。 芸術家科学者はその芸術科学に対する愛着のあまりに深い....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
のあることだけはよくわかる。話の筋も場面も実に尋常普通の市井の出来事で、もっとも
瘋癲病院の中で酒精中毒の患者の狂乱する陰惨なはずの場面もありはするがいったいに目....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
、曰く「ジーメンス研究所|誇大妄想班報告書第一|輯乃至第五十八輯」、曰く「世界|
瘋癲病患者|妄想要旨類聚」、曰く「新青年――金博士|行蹟記」、曰く「夢に現れたる....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
女房と子供を養っている書記の奴が、聖降誕祭お目出とうだなんて云っていやがる。俺は
瘋癲病院へ退き込もうかな。」 この狂人はスクルージの甥を送り出しながら、二人の....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
る私の憧憬の熱もさめ、かの廃宅における怖ろしかった光景の記憶も、単に何かの拍子に
瘋癲病院を訪問したぐらいの追憶になってしまった。 かの老執事が、この世の中から....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
った。ちょうど一行はこのとき庵室の囲いの外へ出ようとするところであった。
「僕は
瘋癲《ふうてん》病院や狂人どもに対しては責任を持ちませんよ」と、ミウーソフがいき....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
やはり理解していなかった。 「そういうのは狂人だ。」と彼は言った。「縛りつけて、
瘋癲《ふうてん》病院にでも入れるべき代物《しろもの》だ!……恋のために自殺すると....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
狂人の眼と髪 これはスコットランドの話で我邦には応用し難いかも知れぬが、同地の
瘋癲病院で調査した処によれば、統計上狂者には普通の人よりも眼の色が薄く髪の色が濃....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
って殺させたりした報酬として受ける金。 ベッドラム ロンドンの古くからの有名な
瘋癲病院。「ベッドラム」はベスリヘム(ベツレヘム)の転訛。もと修道院であったが後....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
着て居る着物を引っ裂いてしまって、その引っ裂いた着物を空に打ち投げるというまるで
瘋癲のごとき有様で霰を喰い止めることに従事して居る。幸いにしてその霰がどこかほか....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
は青い病院服を着て、昔風に頭巾を被っている患者等が坐ったり、寐たりして、これは皆
瘋癲患者なのである。患者の数は五|人、その中にて一人だけは身分のある者であるが他....