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瘟
「瘟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瘟の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
き》に蚊帳《かや》のなかへ入ってしまった。
毎夜々々寝苦しいお島は、白い地面の
瘟気《いきれ》の夜露に吸取られる頃まで、外へ持出した縁台に涼んでいたが、近所の娘....
「雷峯塔物語」より 著者:田中貢太郎
往ってその家の事情を聞いてきた。それは毛巡検という者の住んでいた家で、五六年前に
瘟疫で一家の者が死に絶えて、今では住んでいる者はないはずであるが、それでも時どき....
「縮図」より 著者:徳田秋声
と、梅も桃も一時に咲き、嫩葉の萌え出る木々の梢や、草の蘇える黒土から、咽ぶような
瘟気を発散し、寒さに怯えがちの銀子も、何となし脊丈が伸びるような歓びを感ずるので....
「足迹」より 著者:徳田秋声
って、人込みのなかを子供を負ったり歩かせたりして彷徨いていた。土の臭いと油煙と人
瘟気とで、呼吸のつまりそうな通りをおりおり涼しい風が流れた。お庄は背や股のあたり....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
大きさ瓢《ひょう》のごとし。生食してすこぶる旨く、その汁を搾って砂糖を和し飲めば
瘟疫《おんえき》に特効あり。エジプト人はその肉を乾かし水に和し飲んで下痢を止むと....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
年の身体を固めたのだ。それから『煉化篇』を案ずるにいわく、正旦鶏子赤豆七枚を呑み
瘟気《おんき》を辟くとあるが、鶏卵七つも呑んでは礼廻りの途上で立ちすくみになり、....
「蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
往ってその家の事情を聞いて来た。それは毛巡税と云う者の住んでいた家で、五六年前に
瘟疫で一家の者が死絶えて、今では住んでいる者は無いはずであるが、それでも時どき小....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
る。遠雷の響が何処からともなく聞えて来る。雪渓を吹き下ろす冷い風に、蒸し暑い谷の
瘟気がとれて、久し振りに蘇ったような気持になった。左岸の大虎杖の林の中では珍らし....