瘡蓋[語句情報] »
瘡蓋
「瘡蓋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瘡蓋の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、これはやや悲痛な相貌であるが、左手の赤衣を着た醜怪な結節癩は、その松果形をした
瘡蓋が、殆んど鉱物化していて鋳金としか思われず、それが山嶽のように重なり合って眼....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
のようなものが突き出ていた。だが、それも腕であった。肘の辺から指先まで、ベッタリ
瘡蓋が飛び散っていた。枯木を蔽うている苔のようであった。中指の附け根の
瘡蓋の上に....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
剥《は》ぎとった。すると青緑色の靄《もや》が立罩《たちこ》めた薄暗い光線の中に、
瘡蓋《かさぶた》だらけの醜い背中が露出された。 「これが絶対安静を要した躯《から....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
背中に妙な斑紋《はんもん》が規則正しく並んでいて、どうかするとその内の一つ二つの
瘡蓋《かさぶた》がはがれて大きな穴が明き、中から血膿《ちうみ》が顔を出しているの....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
つ乗っているのでした、その髪の下は完全な禿頭で、その禿頭にはくろんぼがベタベタと
瘡蓋の如く一面に塗られていて、到底じっとは見ていられない穢さでありました。 あ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
見遊山に出なかった。それに大之丞の次の弟、彦之助が京に上ってから胎毒を発し、頭が
瘡蓋《かさぶた》だらけでお釈迦様のようになり、膿が流れ、その介抱に皆力を尽してい....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
ほどの、おそろしい死の沼だ。水面は、みるも厭らしいくらい黄色をした、鉱物質の滓が
瘡蓋のように覆い、じつは睡蓮はおろか一草だにもなく、おそらくこの泥では櫂も利くま....