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「瘴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

瘴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
神論者、哲学上の物質主義者……」 夜更《よふ》けの往来は靄《もや》と云うよりも気《しょうき》に近いものにこもっていた。それは街燈の光のせいか、妙にまた黄色《....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
だと云うじゃありませんか。するとほどなくあの婆娑羅の神が、まるで古沼の底から立つ気《しょうき》のように、音もなく暗の中へ忍んで来て、そっと女の体へ乗移るのでし....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
からは、熟《う》れいきれ切った、まったく堪《たま》らない生気が発散していて、その気《しょうき》のようなものが、草原の上層一帯を覆いつくし、そこを匂いの幕のよう....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
もちあがる以前から、もう既に赤沢脳病院の朽ちかけた板塀の内には、まるで目に見えぬ気の湧きあがるように不吉な空気が追々色を深め、虫のついた大黒柱のように家ぐるみ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
矢木一族の表面には沼気ほどの泡一つ立たなかったのだが、恐らくそれと云うのも、その気のような空気が、未だ飽和点に達しなかったからであろうか。否、その時すでに水底....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
れる。ここへは、米国コロンビア大学の薬学部長ラマビー博士一行が探検したが、ついに癘湿熱の腐朽霧気地帯から撃退されている。ただ、白骨をのせた巨蓮の食肉種が、河面....
運命」より 著者:幸田露伴
曰く、 楞厳を閲し罷んで 磬も敲くに懶し。 笑って看る 黄屋 団瓢を寄す。 南来嶺 千層|※に、 北望 天門 万里|遙なり。 款段 久しく 忘る 飛鳳の輦、 ....
連環記」より 著者:幸田露伴
、戸口|都べて無し三百家。 夜は聴く猿の孤樹に啼いて遠きを、暁には看る潮の上って煙の斜なるを。 吏人は見ず中朝の礼、麋鹿 時々 県衙に到る。 かかるところへ....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
、それはお上手な事は、お医者さんがわるいと伊藤さんにかゝると云うくらいだから、内が眼が明いて駈け出したり何かするんで、何うも不思議じゃア有りませんか、それにお....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、 聞くならく 雲南《うんなん》に瀘水《ろすい》あり 椒花《せうか》落つる時、煙《しやうえん》起る 大軍|徒渉《とせふ》、水、湯の如し 未《いま》だ十人を過....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
づけられた。シナイの風が、寂寞《せきばく》たる曠野《こうや》と力強い海との風が、癘《しょうれい》の気を吹き払った。クリストフの熱はとれた。彼はずっと安らかにふ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
んお》すべきものであった。彼はそこに腐敗と死滅とを感じた。全体として言えば、彼は癘《しょうれい》の気よりも泡沫《ほうまつ》を愛し、下水よりも急流を愛し、モンフ....
小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
、突兀たる氏の風采の中に、未醒山人と名乗るよりも、寧ろ未醒蛮民と号しそうな辺方|煙の気を感じたものである。が、その後氏に接して見ると、――接したと云う程接しも....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
孤島、といえばやはり土が要る。たいていは、大陸の中央か大峻険の奥。密林、氷河、毒気の漂う魔の沼沢と――すべてが地上にあって海洋中にはない。ただ、あるといえば藻....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
にダージリンに来られた。しかるに惜しいかなダージリンの近傍の林の中に在るところの毒に中てられてとうとう死んでしまったです。これが一八四〇年頃の事で、現にダージ....