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癇持
「癇持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
癇持の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
いを嗅げば子の息臭く墓場を行くうち棺腐れ壊れて足を土に踏み入るれば生まるる子|癲
癇持《てんかんもち》となるなど雑多の先兆を列《つら》ねある(一八七〇年版ロイド『....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
臥《よいぶ》し千両、朝寝万両の寝ごこちがいい時候というものはない。やかまし屋で、
癇持《かんも》ちで、年が年じゅう朝早くからがみがみと人の世話をやいていないことに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ていると、文字清はうるんだ眼を嶮《けわ》しくして彼を睨むように見あげた。その唇は
癇持ちのように怪しくゆがんで、ぶるぶる顫《ふる》えていた。 「和泉屋の若旦那は、....
「トカトントン」より 著者:太宰治
射貫いてしまったものか、それ以後げんざいまで続いて、私は実に異様な、いまわしい癲
癇持ちみたいな男になりました。 と言っても決して、兇暴な発作などを起すというわ....
「マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
きい黒い目をした身よりのないカストローマ。十二歳の力持ちのハーヒ。墓地の番人で癲
癇持ちのヤージ。一番年かさなのは後家で酒飲みの裁縫女の息子グリーシュカ。これは分....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
く膨らませたかと思うと、急に游ぎがむつかしくなって、水の上にひっくりかえって、癲
癇持のように泡をふき出した。その恰好は自分がいつも画に描きなれている河豚にそっく....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
で、しばらくは我慢をもしましたそうな。 お米が気の弱い臆病ものの癖に、ちょっと
癇持で、気に障ると直きつむりが疼み出すという風なんですから堪りませんや。 それ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
げ落ちるのが当然である。それとも反対に、墜落と震盪《しんとう》のために、生来の癲
癇持ちであるスメルジャコフにその発作が起こったものか――その辺の事情はついに知る....
「決闘」より 著者:神西清
・負の差別なしに愛せよと教える。彼らの教えによると、もし結核患者なり殺人犯なり癲
癇持ちなりが来て君の娘をくれといったら、やれということになる。クレチン病の白痴が....
「三国志」より 著者:吉川英治
憎まれてやしませんかッて。なんでも、わたしの事を放蕩息子だの、困り者だの、また癲
癇持ちだのって、方々へ行って、しゃべりちらしているらしいんですよ」 曹操は、け....