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癇癪
「癇癪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
癇癪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
中ですぐまた語《ことば》をつぎながら、
「それから?」
「それから――ええと――
癇癪《かんしゃく》を起しちゃいけませんって。」
「おやおや、それっきりかい。」
....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
たそうです。しかし半之丞もお松にはよほど夢中になっていたのでしょう。何しろお松は
癇癪《かんしゃく》を起すと、半之丞の胸《むな》ぐらをとって引きずり倒し、麦酒罎《....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
そうな眼つきは、今でもまざまざと見えるような気がする。兄はただ母に叱られたのが、
癇癪《かんしゃく》に障《さわ》っただけかも知れない。もう一歩|臆測《おくそく》を....
「少年」より 著者:芥川竜之介
教えておくれよう。ようってば。つうや。莫迦《ばか》つうやめ!」
保吉はとうとう
癇癪《かんしゃく》を起した。父さえ彼の
癇癪には滅多《めった》に戦《たたかい》を挑....
「或る女」より 著者:有島武郎
渡そうとした。
「早く早く、早くしないと出っちまいますよ」改札がたまらなくなって
癇癪声《かんしゃくごえ》をふり立てた。
青年の前で「若奥様」と呼ばれたのと、改....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
るとかっとなった。笠井は農場一の物識《ものし》りで金持《まるもち》だ。それだけで
癇癪《かんしゃく》の種には十分だ。彼れはいきなり笠井に飛びかかって胸倉《むなぐら....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
るかのような気持ちがして、彼は息せき切って歩きに歩いた。そして無性《むしょう》に
癇癪《かんしゃく》を起こし続けた。
「馬鹿野郎! 卑怯者! それは手前のことだ。....
「星座」より 著者:有島武郎
ばこれは分らないのですか」
と新井田氏がそのきっかけをさらって口を入れた。すぐ
癇癪《かんしゃく》を立てる、こらえ性のない調子が今度の言葉には明かに潜んでいた。....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
無人で失礼。さあ、どうぞ、と先方は編上靴で手間が取れる。主税は気早に靴を脱いで、
癇癪紛に、突然二階へ懸上る。段の下の扉の蔭から、そりゃこそ旦那様。と、にょっと出....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ための行楽に身を任せて、それでも使い切れない精力の余剰を、富者の贅沢の一つである
癇癪に漏らしているのがある。君はその男をよく知っている。小学校時代には教室まで一....
「親子」より 著者:有島武郎
とはきはき言って退けた。彼にはこれは実に意外の言葉だった。父は黙ってまじまじと
癇癪玉を一時に敲きつけたような言葉を聞いていたが、父にしては存外穏やかななだめる....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
やると、振り返って私を※でしゃくった。 見ろい、イフヒムの奴を。知ってるか、「
癇癪玉」ってんだ綽名が――知ってるか彼奴を。 さすがに声が小さくなる。 イフ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
なくッちゃ色男は勤まりませんよ。何でも不便だ、可愛いと思うほど、手荒く取扱って、
癇癪を起してね、横頬を撲りのめしてやりさえすりゃ惚れた奴あ拝みまさ。貴方も江戸児....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
って外国にでも行っちまうんでしょう。おだいじにお暮らしなさい。戸部さんは吃りで、
癇癪持ちで、気むずかしやね。いつまでたってもあなたの画は売れそうもないことね。け....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
て、眼をくるりと遣りますとね、私とでも取組みそうでさ。一体気の勝った、お夏さんは
癇癪持なんだけれど、婦人だけにどうすることも出来ないんですから、癪なことは軍鶏と....