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癇癪持
「癇癪持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
癇癪持の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
主義者、いっこくな官吏、孤高|狷介《けんかい》、読書、追及、倦《う》まざる史家、
癇癪持《かんしゃくもち》の父親として一生を終りました。十三歳の時です。その二年前....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
や不成績の生徒はあたまから叱り付けられた。時には竹の教鞭で背中を引っぱたかれた。
癇癪持ちの教師は平手で横っ面をぴしゃりと食らわすのもあった。わたしなども授業中に....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
。流石は公家の出である。病弱の身体で、あの気紛れな――今は大へんよくなったが――
癇癪持ちの夫に仕えて、些の不満も現わさず、唯々諾々として忠実を守っている姿は涙ぐ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
、年の頃二十一二とも覚しく、色あくまでも白く、眉毛|秀で、目元きりゝっとして少し
癇癪持と見え、鬢の毛をぐうっと吊り上げて結わせ、立派なお羽織に結構なお袴を着け、....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
だってあんなにまやかし物が作りたいんだろうな。みんな神様の真似ごとじゃないか。」
癇癪持の蜜蜂は、羽をならしながら憎々しそうに言いました。曩の日のことを思うと、今....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
。」 「それで治兵衛……は分ったが、坊主とはどうした訳かね。」 「何、旦那さん、
癇癪持の、嫉妬やきで、ほうずもねえ逆気性でね、おまけに、しつこい、いんしん不通だ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
……それが酷いんだ。 小児の内は間抜けのようだったけれど、すっかり人が異って、
癇癪持の乱暴な奴になったと見えるんだよ。……姉さん、年紀がゆくと変るものかしら。....
「小公女」より 著者:菊池寛
遠くの方から、その子の様子を見守っていたりするものです。またそんな伯父はきまって
癇癪持で、怒りっぽいものです。だから、もしそんな人がいて、セエラのひどい様子を見....
「氷河」より 著者:黒島伝治
さきに、大男のメリケン兵を三人ぶち斬っていた。 中尉は下顎骨の張った、獰猛な、
癇癪持ちらしい顔をしていた。傷口が痛そうな振りもせず、とっておきの壁の青い別室に....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ことが好きだった。しかし好き嫌いは非常に強く、それにはしっかりした理由があった。
癇癪持ちだったが、その怒る動機にいつも面白いところがあった。私は一人息子で両親の....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
って外国にでも行っちまうんでしょう。おだいじにお暮らしなさい。戸部さんは吃りで、
癇癪持ちで、気むずかしやね。いつまでたってもあなたの画は売れそうもないことね。け....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
て、眼をくるりと遣りますとね、私とでも取組みそうでさ。一体気の勝った、お夏さんは
癇癪持なんだけれど、婦人だけにどうすることも出来ないんですから、癪なことは軍鶏と....
「雷嫌いの話」より 著者:橘外男
雷に首を竦めていたからとて、子供たちはこのオヤジを、そう馬鹿にしてる様子もない。
癇癪持ちの一方ならぬ、ガムシャラおやじだが、雷だけは性に合わんのだな! と、子供....
「グーセフ」より 著者:神西清
パーヴェル・イヴァーヌィチは陽気になった。もう向っ腹も立てない。その顔には傲慢な
癇癪持らしい嘲笑の色が見える。まるでこうでも言いたそうだ。―― 『さあ、おかしく....
「童話を書く時の心」より 著者:小川未明
話の世界に同化するがためです。おじいさんや、おばあさんは、その可愛い孫の我儘とか
癇癪持とか、或は、臆病とかの欠点をよく知っています。お話のなかに、自然とそれを自....