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癈人
「癈人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
癈人の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の盗賊」より 著者:太宰治
三枚も、鎧を着た。固め過ぎた。動けなくなったのである。部屋から一歩も出なかった。
癈人、と或る見舞客が、うっかり口を滑らしたのを聞いて、流石《さすが》に、いやな気....
「女類」より 著者:太宰治
栃木県の生家にたどりつき、それから三箇月間も、父母の膝下《しっか》でただぼんやり
癈人《はいじん》みたいな生活をして、そのうちに東京の、学生時代からの文学の友だち....
「人間失格」より 著者:太宰治
て、狂人という事になりました。いまに、ここから出ても、自分はやっぱり狂人、いや、
癈人《はいじん》という刻印を額に打たれる事でしょう。 人間、失格。 もはや、....
「狂人は笑う」より 著者:夢野久作
わるのです。光沢がスッカリ無くなってしまうのです。そうして非道い不眠症に罹って、
癈人みたようになってしまうのです。 イヤ。それが普通のお茶とは違うのです。 ....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
して、いったい僕はこれから、どんな身の上になるのだろう。なんの事はない、てもなく
癈人じゃないか。そう思うと、呆然とする。どうしてよいか、まるで見当も何もつかなく....
「平塚さんと私の論争」より 著者:与謝野晶子
保護を要求せられることには勿論私も賛成します。しかしその事を以て、私が「老衰者や
癈人が養育院の世話になるのと同一である」といったことを、平塚さんが「間違っている....
「花子の陳述」より 著者:豊島与志雄
した。そして遂には、原稿も書けなくなりそうだし、読書も出来なくなりそうだし、全く
癈人同様になる外はないように思われました。 それになお、その電波は特殊なもので....
「深夜は睡るに限ること」より 著者:坂口安吾
麻薬の経験はないけれども、幻聴幻視になやまされた覚えは肝に銘じているから、こんな
癈人的感覚に近代性などのある筈はないのである。 近代はすべからく健全でなければ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
木戸から外へ抛り出されるのだ。が、彼らも一生涯、そのことは忘れられまい。そのため
癈人になるだろう。とはいえ毎夜見聞きしなければならない、俺たちよりは幸福だろう」....
「「心理試験」序」より 著者:小酒井不木
った。 続いて、雑誌「新青年」を通じて、「一枚の切符」、「恐ろしき錯誤」、「二
癈人」、「双生児」等の作品に接するに及んで、いよいよ益々、江戸川兄の非凡なる技倆....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
二人できる」 などと平気でいわれていたほどだった。戦乱が生んだ餓鬼道の巷では、
癈人、穀つぶし、足手まとい以外の何者とも視られなかったといってよい。 職屋敷で....