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癒合
「癒合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
癒合の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
ら》った。今日《こんにち》までの経過から推《お》して、すべての創口《きずぐち》を
癒合《ゆごう》するものは時日であるという格言を、彼は自家の経験から割り出して、深....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
薄く残っていたが、それはもう五、六日以上を経過したものらしく、疵口も大抵かわいて
癒合していた。この疵はゆうべの事件に関係のないことが十分に判って、半七は失望した....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、人をつかわしてその樹を伐らせると、たちまちに大風雨が襲い来たって、その切り口を
癒合させてしまうので、幾日を経ても伐り倒すことが出来ない。文公は更に人数を増して....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
い放った。「恐らくその中には、心筋質肥大のようなものや、あるいは、硬脳膜矢状縫合
癒合がないとも限りません。けれども、それが対称的に抽象出来るというのは、つまり人....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
分。……ハハア……昨日とかわりませんな。貴方も経過が特別にいいようです。スッカリ
癒合していますし、切口の恰好も理想的ですから、もう近いうちに義足の型が取れるでし....
「春寒」より 著者:寺田寅彦
に見えた。王の血がフンドの指の間を伝い上って彼の傷へ届いたと思うと、傷は見るまに
癒合して包帯しなくてもよいくらいになった。……王の遺骸はそれから後もさまざまの奇....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
では、問題はもっと複雑である。そこでは日常語と哲学的術語(実は翻訳術語だが)とが
癒合していない結果、今だに俗語と階級的な学術語との対立が著しく残っている。日本の....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
実の苦悶と拮抗できるのであった。しかし、一方において彼は、その人魚の形が、両肢の
癒合した一本肢という、一種の畸形であることも熟知しているのだけれど、それとて、彼....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
が人の食《しょく》する部分であるが、この部分は実は本当の果実(中心部をなせる)へ
癒合《ゆごう》した付属物で、これは杯状《はいじょう》をなした花托《かたく》(すな....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
い。シャスチナは、多分側火山として噴出したのが、一体の双生児のように、シャスタと
癒合したのだろうと思う。成立の原因は違っても、富士の愛鷹山の頂上部が、仮に爆裂飛....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
の挙を以て、折角世に忘れられんとしつつある記憶を新たならしむるものにして、例えば
癒合しつつある古疵を掻き起すものなるべしとの注意を賜わるものこれ有り候う。これ確....