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癪持
「癪持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
癪持の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
不成績の生徒はあたまから叱り付けられた。時には竹の教鞭で背中を引っぱたかれた。癇
癪持ちの教師は平手で横っ面をぴしゃりと食らわすのもあった。わたしなども授業中に隣....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
流石は公家の出である。病弱の身体で、あの気紛れな――今は大へんよくなったが――癇
癪持ちの夫に仕えて、些の不満も現わさず、唯々諾々として忠実を守っている姿は涙ぐま....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
固く鬢を引詰めて、芝居でいたす忠臣蔵の若狭之助のように眼が吊し上っているのは、疳
癪持というのではありません。髪を引詰めて結うからであります、誠に活溌な良い御気象....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
年の頃二十一二とも覚しく、色あくまでも白く、眉毛|秀で、目元きりゝっとして少し癇
癪持と見え、鬢の毛をぐうっと吊り上げて結わせ、立派なお羽織に結構なお袴を着け、雪....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
」 「それで治兵衛……は分ったが、坊主とはどうした訳かね。」 「何、旦那さん、癇
癪持の、嫉妬やきで、ほうずもねえ逆気性でね、おまけに、しつこい、いんしん不通だ。....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
種になって段々お癪になったのだから、お癪を癒そうてえので……お癪てえば今来た娘も
癪持に違えねえ」 幸「何故」 由「なぜったって此処の湯は癪に宜しいから、癪を癒し....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
…それが酷いんだ。 小児の内は間抜けのようだったけれど、すっかり人が異って、癇
癪持の乱暴な奴になったと見えるんだよ。……姉さん、年紀がゆくと変るものかしら。」....
「小公女」より 著者:菊池寛
くの方から、その子の様子を見守っていたりするものです。またそんな伯父はきまって癇
癪持で、怒りっぽいものです。だから、もしそんな人がいて、セエラのひどい様子を見た....
「氷河」より 著者:黒島伝治
きに、大男のメリケン兵を三人ぶち斬っていた。 中尉は下顎骨の張った、獰猛な、癇
癪持ちらしい顔をしていた。傷口が痛そうな振りもせず、とっておきの壁の青い別室に坐....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
とが好きだった。しかし好き嫌いは非常に強く、それにはしっかりした理由があった。癇
癪持ちだったが、その怒る動機にいつも面白いところがあった。私は一人息子で両親の寵....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
て外国にでも行っちまうんでしょう。おだいじにお暮らしなさい。戸部さんは吃りで、癇
癪持ちで、気むずかしやね。いつまでたってもあなたの画は売れそうもないことね。けれ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、眼をくるりと遣りますとね、私とでも取組みそうでさ。一体気の勝った、お夏さんは癇
癪持なんだけれど、婦人だけにどうすることも出来ないんですから、癪なことは軍鶏と私....
「グーセフ」より 著者:神西清
ーヴェル・イヴァーヌィチは陽気になった。もう向っ腹も立てない。その顔には傲慢な癇
癪持らしい嘲笑の色が見える。まるでこうでも言いたそうだ。―― 『さあ、おかしくっ....
「童話を書く時の心」より 著者:小川未明
の世界に同化するがためです。おじいさんや、おばあさんは、その可愛い孫の我儘とか癇
癪持とか、或は、臆病とかの欠点をよく知っています。お話のなかに、自然とそれを自得....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
績もよくって利口者だったので、両親に非常に可愛がられ気儘に育ちましたが、ひどい疳
癪持ちで、自分の思うことが通らないと気狂いのように暴れ狂うという癖がありましたの....