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「癲狂院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

癲狂院の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
》へからみつけると、相不変《あいかわらず》落着き払った調子で、 「最後にどこかの癲狂院《てんきょういん》で、絶命する事になるんだそうだ。ついてはその癲狂院の生活....
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
は思わずぞっとしたのだった。「狂人がやったんだね」と私は言った。「――誰か近所の癲狂院《メゾン・ド・サンテ》から逃げ出した狂躁《きょうそう》性の気違いが」 「あ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ああ、伸子とヒステリーか……。なるほど、君の透視眼も相当なものさ。ただし問題を、癲狂院でなしに他の方へ転じてもらおう」と彼に似げない味のある言葉を吐いた。それに....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
からね。」 その数時間後、二人の同乗した寝台車が、折から茜色の雪解跡をついてB癲狂院の門を潜った。....
光と風と夢」より 著者:中島敦
寝ころがって、二年間も制作から離れていられる所があったら! 仮令《たとえ》それが癲狂院《てんきょういん》であっても、私は行かないであろうか? 十一月××日 我....
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
》体に追加してあったが、この犯人は捕縛《ほばく》されて、精神病者と判明し、同地の癲狂院《てんきょういん》に収容された。ところが、その春病院を脱走して、爾来《じら....
十二支考」より 著者:南方熊楠
どろ》いたので博士は入牢した。その時博士の諸友これを発狂の所作として申告した内に癲狂院《てんきょういん》を司るシムモンス博士あり。当時高名の精神病学者でもっとも....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
か云うので、それ以来異常な狂信を抱く様になり、ついぞ此の一月退院するまで、郊外の癲狂院で暮していたのであった。所が、この薬師仏に仕える老人は、一々犯人の足跡を指....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
彼の歌曲《リード》は野獣の唸《うな》り声に似ており、彼の交響曲《シンフォニー》は癲狂院《てんきょういん》から発する趣きがあり、彼の芸術はヒステリー的であり、彼の....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。私はほんとに気が気でなかった。まったくの気違いになりそうでしたよ。ビセートルの癲狂院《てんきょういん》にでも入れられたかも知れませんよ。あなたが死なれたら、私....
言語と道具」より 著者:寺田寅彦
性をもつものでなければならない。そうでなければ、人々は口々に饒舌っていても世界は癲狂院かバベルの塔のようなものである。 共通な言葉によって知識が交換され伝播さ....
犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
活、何やらこう痴けきった代物だが、さりとて出て行きも逃げ出しもできないところは、癲狂院か監獄へぶち込まれたのにそっくりだ! グーロフはその夜まんじりともせず向....
予審調書」より 著者:平林初之輔
っしゃったではありませんか?」 あわれな老人は一言もなくうなだれている。牢獄か癲狂院《てんきょういん》か、どの道我が子は助からないのだ。彼の頭には陰惨な人生の....
殺人迷路」より 著者:佐左木俊郎
、彼女は房州の海岸で投身自殺をしてしまった。そのために伝右衛門は発狂して松沢村の癲狂院に送られてしまった。それにも拘わらず、僕は銀座裏のカフェで浦部俊子に会った....
」より 著者:神西清
きますわ、行きますわ、行きますわ。修道院へ、未亡人ホームへ、養育院へ……。」 「癲狂院へね!」と私は我慢しきれなくなって叫んだ。 「ええ癲狂院へだって! そのほ....