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「発句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

発句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
吉と馬琴とを見比べると、妙な顔をして流しへ痰《たん》を吐いた。 「貴公は相変らず発句《ほっく》にお凝りかね。」 馬琴は巧《たく》みに話頭を転換した。がこれは何....
「母」より 著者:芥川竜之介
》ぶと、独り言のようにこう云った。 「蕪湖《ウウフウ》住みをするようになったら、発句《ほっく》でも一つ始めるかな。」 女は何とも返事をせずに、縫物の手を動かし....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
名を取っている。長唄《ながうた》も柳橋《やなぎばし》では指折りだそうだ。そのほか発句《ほっく》も出来るというし、千蔭流《ちかげりゅう》とかの仮名《かな》も上手だ....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ら連歌師が下って来ると、最寄《もより》々々の城から招いて連歌一座所望したいとか、発句《ほっく》一首ぜひとか、而《しか》もそれがあす合戦に出かける前日に城内から所....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
に明かるく照らされて、屋根の瓦には露のようなものが白く光っていた。お絹は林之助が発句《ほっく》を作ることをふと思い出した。あしたの晩は月を観て「名月や」などと頻....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
げて笑った。 「こいつも今にああなって、猫の恋とかいう名を付けられて、あなた方の発句の種になるんですよ。猫もまあこの位の小さいうちが一番可愛いんですね。これが化....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
のご挨拶まで」 僕は返事のペンを執りながら、春寒の三島の海を思い、なんとかいう発句を書いたりした。今はもう発句は覚えていない。しかし「喉頭結核でも絶望するには....
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
か知れない。千駄木にいられた頃だったか、西園寺さんの文士会に出席を断って、面白い発句を作られたことがある……その句は忘れたが、何でもほととぎすの声は聞けども用を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
持って明日を待つことにした。その日は半七に別れて、おじさんは深川の某所に開かれる発句の運座に行った。 その晩は遅く帰ったので、おじさんは明くる朝早く起きるのが....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
方にばかり考えてしまって、例のごとくお葉をいじめ始めたんです。ことに今度は其蝶の発句という証拠物があるのだから堪まりません。お葉はもう我慢が出来なくなったと見え....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
すのであろう。その川裾のたよりなく草に隠れるにつけて、明神の手水洗にかけた献燈の発句には、これを霞川、と書いてあるが、俗に呼んで湯川と云う。 霞に紛れ、靄に交....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
うやら他人とは思えません。」 婆さんはこの時、滝登の懸物、柱かけの生花、月並の発句を書きつけた額などを静に※したから、判事も釣込まれてなぜとはなくあたりを眺め....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ょうが、秋色は見えないはずだ。そこに立っているんだから。」 「またなぶらはる……発句も知らん、地唄の秋色はんて、どないしょ。」 と、振返ると、顔をかくしたまま....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
た真似をする。殊に江戸文化の爛熟した幕末の富有の町家は大抵文雅風流を衒って下手な発句の一つも捻くり拙い画の一枚も描けば直ぐ得意になって本職を気取るものもあった。....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
存外改たまった妙に取済ました文句で一向｜無味らなかった。が、その末にこの頃は談林発句とやらが流行するから自分も一つ作って見たといって、「月落烏啼霜満天寒さ哉――....