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発汗
「発汗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
発汗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
。彼の床に入る時には家内のものはもう皆な寐ていた。熱い葛湯《くずゆ》でも飲んで、
発汗したい希望をもっていた健三は、やむをえずそのまま冷たい夜具の裏《うち》に潜《....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
に咲きだすと、見る見るうちに空を蔽う嵐雲のように拡がっていった。彼は異常の興奮に
発汗しながら、まず胸部を抑えるのだった。それから、幅の広い帯を探し、臀部を撫で、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
存じません」と伸子は、救いを求めるような視線を法水の顔に向けたが、その時、彼女の
発汗がますますはなはだしくなって、舌が異様にもつれ、正確に発音することさえ出来な....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
思議な出来事がおこった。 夜になると、温度はいくぶん下がるけれど、その倦怠さと
発汗の気味わるさ。湿気の暈が電灯の灯をとりまいている。 こういう時には、ドドの....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
は病気が直ったと思うほどいつも気持ちがいいが、午後からはきっと熱が出る。やむなく
発汗剤をのむと、汗がびっしょりと出て、その心持ちの悪いことひととおりでない。顔に....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
しませんでした。それから夕食となりましたが、私は、いつも自分がねるすぐ前にのんで
発汗するのがいいので、母にもねる時のませるつもりでおりました。母も、もとより自分....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
熱を一日何回となく繰り返すことはまったく気の毒だと私は思ったが、しかし狭い同室で
発汗している人があることは、そしてそれがマラリヤであることは私たちを怖れさせた。....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
屠牛之古図」! それがいま、私の全視野に跳躍しているのだ! 燃える流血・燃える
発汗・燃える頬・燃える旗――わあっ! 血だ、血だ! ぷくぷくと黒い血が沸いたよ牛....
「枯菊の影」より 著者:寺田寅彦
る。縁に出した花瓶の枯菊の影がうら淋しくうつって、今日も静かに暮れかかっている。
発汗剤のききめか、漂うような満身の汗を、妻は乾いたタオルで拭うてくれた時、勝手の....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
夜)のむしかたはひどうございました。夏になって初めて、横向きにねている上の方だけ
発汗してそれがつめたく何とも云えずいやな気持の夜でした。苦しい晩でしたから、そち....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
はもう頭自体が水甕にほかならないと信じるようになるのであった。 人体に於て最も
発汗する場所はどこか? 頭! 毛髪はなんのために存在するか? 汗をふせぐためであ....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
くて甘味を含み、多少香気もありかつ滋養分もあるので食品として貴ばれる。またこれは
発汗剤になるともいわれ、そしてその極く嫩い葉はサラドとして美味である。 属名の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
し。夜に入るも暑さなお減ぜず、海水の温度は八十度に達し、甲板上に横臥するも、なお
発汗を免れず。朝六時に日昇りて、夕六時に没し、没後ただちに暗黒となる。まことに昼....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
腕を拱《こまぬ》く、とはこのことと思われた。 夕方近く、妻は夥《おびただ》しく
発汗した。私は小野医師の許しを得て、長男に手伝わせて、妻の着物を換えた。 妻の....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いぜい患者に汗を出させて、汗と同時に身体の中の余分な熱を体外へ流し出そうと努める
発汗剤や、高熱のため、方々の器官に故障を起させないようにと遠まわしの薬(例えば心....