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発源
「発源〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
発源の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風知草」より 著者:宮本百合子
じ心でそこを通る人はなかった。よかれあしかれ、自分の生活と関係のある新しい動力の
発源地をそこに感じ、そこの様子を知ろうとして、淋しいガード下から曲って丘をめぐる....
「とんびと油揚」より 著者:寺田寅彦
ないようにその同じ流線束をどこまでも追究することさえできれば、いつかは必ず臭気の
発源地に到達することが確実であって、もしそれができるならば視覚などはなくてもいい....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
成程な、罪も報も人間同士が背負いっこ、被りっこをするわけだ。一体、このたびの事の
発源は、そこな、お一どのが悪戯からはじまった次第だが、さて、こうなれば高い処で見....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
再教育は放棄している。復員軍人、引揚者の職業再教育が全くみすてられていて社会悪の
発源地となっているとおり、戦争による不具者の人間的再起がみすてられていることは日....
「待呆け議会風景」より 著者:宮本百合子
っと軍人らしくやれ! そういう声もする。傍聴席の右側下政友会中島派というあたりが
発源地らしい見当である。黙ってろ! いわせろ! そういう罵声も交々であった。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
存在と名目を異にしているかも知れない。少なくとも、青嵐のいうところは、ある一定の
発源地とか、対象とかいうものが存しているのではなく、民心の鬱結がおのずから相当の....
「高原」より 著者:寺田寅彦
線で送られた唱歌が長野局から電波で放送され、それがエーテルを伝わってもとの上田の
発源地へ帰って来ているのである。何でもない当り前の事であるが、ちょっと変な気のす....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
ているものではなく、中途から出てゆくものであります。そういう生活の最後の原動力、
発源地というものは個人と宇宙との関係、そこから出てこなければならぬ。それがほんと....
「詩について語らず」より 著者:高村光太郎
用を行うというわけです。それからさきの方法と技術と、その結果としての形式と、その
発源としての感覚領域とについては今なおいろいろと研鑽中の始末で、これが又、日本語....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
れに応じて答うること、すこぶる明瞭にして、なんぴとにもみな聞こえ、ただにその声の
発源と思わるる所より四、五間の距離において、明らかに聴き取られしのみならず、隣家....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
跡が殆んど等高線に沿うて、尾根の右側をからんでいたのでそれにまぎれ込み、国境から
発源している最初の沢を渡り、小沢に沿うてその北の尾根に上り、左に西南の方向を取っ....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
い。それから、そこを通ずる道路がありそこに一二軒の人家がある。 『どうです。声の
発源点は此処ですよ』 こう云ってT君は大きな手の指で、その人家のところを圧しつ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
。十時十分である。この谷は赤牛岳から東北に延びた尾根の二千五百米附近から東微北に
発源するもので、信州の人達がタルガ沢と呼んでいる程あって瀑が多い。上り始めて幾程....