発熱[語句情報] »
発熱
「発熱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
発熱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
葉子は思わずぎょっとした。生まれ落ちるとから病気一つせずに育って来た貞世は前から
発熱していたのを自分で知らずにいたに違いない。気むずかしくなってから一週間ぐらい....
「冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
去りにして来た憂鬱な部屋を思い浮かべた。そこでは私は夕餉《ゆうげ》の時分きまって
発熱に苦しむのである。私は着物ぐるみ寝床へ這入《はい》っている。それでもまだ寒い....
「冬の日」より 著者:梶井基次郎
。――吐いたときには悪いことをしたとしか思わなかったその赤い色に。―― 夕方の
発熱時が来ていた。冷たい汗が気味悪く腋の下を伝った。彼は袴《はかま》も脱がぬ外出....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とは思われません。それを見て病気に罹《かか》ったなどと申しますのは、驚きの余りに
発熱でも致したのでござりますまいか。それとも、その塗り薬に何かの毒でも混じてあり....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
は血痰も消えたり。十四日目より床上に起き上る事を許されしが、この二週間例年になき
発熱の日つづきたること故、寝ていることの辛さ、ことに枕に頭をつけての食事は、機関....
「沈没男」より 著者:海野十三
るまって宝石のような暮しをして居れど、頭はビンビン、涙と洟とが一緒に出るし、悪寒
発熱でガタガタふるえている始末、お察しあれ――といったのでは、よく分らないかもし....
「鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
しょっちゅうやって来て、一遍に何羽となく買ってもらう。というのは鶏は食い過ぎたり
発熱したりしやすく、なかなか長寿を得難いからだ。しかもその中の一羽は、エロシンコ....
「発明小僧」より 著者:海野十三
られ、身体の軟部を好みて喰いつくを以て、ところによりては痒み甚だしきあまり厖大に
発熱|腫脹(?)し、数時間なおらぬものなるを以て、そこを考えて、一種の若返り法と....
「鼠」より 著者:岡本綺堂
宿の役人に届けた上で、娘に一夜のやどりを許すことになると、その夜なかに伊平は俄に
発熱して苦しみ出した。 伊平は独り者で、病気は風邪をこじらせたのであったが、幸....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
しらえた花筒の表面に眼を近づけて丁寧に調べてみた。もう金屬ソジウムが水分を引いて
発熱し、竹筒の青い色がすこし変ってきては居ないかと思ったのであるが、別にまだ異状....
「父の怪談」より 著者:岡本綺堂
も一緒に手伝った。しかもそれはやはり不成功に終った。傷つけられた猪上はその夜から
発熱して、二十日ほども寝込んだということであった。 父はその翌晩も行ってみたい....
「妖怪学」より 著者:井上円了
きを知るべし。 その他、この夢について記すべきことは、第一に、腸胃の悪きときと
発熱のうちに夢を現ずること最も多きこと、第二に、夢と夢との間に数日を隔てて連絡あ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
てもよさそうな訳であるけれども、チベットでは病人が昼寝るというと、その病人が必ず
発熱して治るべき筈の病気も治らなくなってしまうという信仰がなかなか堅いのです。で....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
この分なら熱は出そうもないわ」 と云って、ほッと溜息を吐いた。 が、彼は遂々
発熱した。 うとうとしたかと思うと、急におびえて眼を覚まし、 「鷹が――、鷹が....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
が踊っている真最中に楽屋で百合子を見たという女の子があります。女の子はあの晩から
発熱して『お化物が鷺娘を踊っている』と囈言を云いつづけているそうです。家元は家元....