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発疹
「発疹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
発疹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幸福の建設」より 著者:宮本百合子
ほど足を出して乗っていらっしゃることはできない。あの虱が落ちているかも知れない、
発疹チブスがうつるかも知れない、あの汚い箱の中に乗って同じ軌道でこなければここへ....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
に、新円六十万円の泥棒。若い娘の失踪六十一名。幼児誘拐も報ぜられている。天然痘、
発疹チブスの危険も全市にひろがろうとしている。 これらすべての危期が、愛する日....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
な腐爛した臭気! そして、これはまた、何と悲しい麺麭屋だ! 店頭のぱんは、数度の
発疹に蒼白く横たわって息づいている。不潔と醜怪。狭い往来は病気の展覧会だ。狼瘡、....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
判らなかった。夜があける頃には少し熱がさがったが、それと同時に富子の顔には一種の
発疹が一面にあらわれた。それは赤と紫とをまぜたような気味の悪い色の腫物らしくも見....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ます。」
「私もそう思いました。」
「今年はチフスがありましたし、二年前には粟粒
発疹熱《つぶはしか》がありましたし、そんな流行病のおりには、時とすると百人もの患....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
恋の殿堂や炎を出してる心臓やキューピッドなどの文身《ほりもの》が見えていた。また
発疹《はっしん》や病的な赤い斑点《はんてん》なども見えていた。二、三人の者は、車....
「D・D・Tと万年床」より 著者:坂口安吾
かしは一ヶ月か二ヶ月目ぐらいには部屋を掃除していたのであるが、一昨年の新年ごろ、
発疹チブスがでた。私の住む矢口というところが、この発祥の地で、私の家も隣に患者が....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
ii. p. 178. 世界中で最も美しい地方の一つであるシレでは、最悪性の
発疹チフスがほとんど絶えることがない1)。アビシニアの低地においては、一般に、悪....
「特攻隊に捧ぐ」より 著者:坂口安吾
浪者の救護に挺身し、浮浪者の敬慕を一身にあつめて救護所の所長におされていた学生が
発疹チフスのために殉職したという話をきいた。 私のごとく卑小な大人が蛇足する言....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
作品がどの新聞、雑誌を見ても、げす、悪達者、下品、職人根性、町人魂、俗悪、エロ、
発疹チブス、害毒、人間冒涜、軽佻浮薄などという忌まわしい言葉で罵倒されているのを....
「日記」より 著者:宮本百合子
の絵かきが此処に来て居ようとは思わなかった。夜東京から葉書が来る。赤ちゃんが口中
発疹ではさぞ困って居るだろう。或る考えが浮ぶ。 七月三日(火曜) 昨夜からの雨....
「妻」より 著者:神西清
併せて十五人を下らず、遂には食物も尽き、飢餓はもとより、一人として飢餓性もしくは
発疹性のチフスに感染せざるはなく、村民ことごとく文字どおり罹病いたしております。....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
の春の初め、伝染病のはやっている、なんとかいう村へ行ったことがあったっけが。……
発疹チフスというやつでね。……百姓家は、軒なみに、病人がごろごろしているんだ。…....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
は膿を持たせます。母親が雉の肉を食べると翌日《あくるひ》乳呑児《ちのみご》の顔へ
発疹《ふきでもの》が出来るという事はよく聞いております。魚でも鮭《さけ》と鱒《ま....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
翌年の夏、二ヵ月ほど寝こんで出仕も欠いた。病名は“蚊触”だとある。蚊触とはつまり
発疹のことらしい。「園太暦」では瘡疾に罹ったのだと書いている。 病後の秋であっ....